♪ ランタンの思い出

場面は変わって仕事中のなでしこ。

なでしこはアウトドア専門モールの

「Forest Owl」で働いています。


このパートで登場するお客さんは2組。


その内1組は親子連れ。

冬キャンの道具を買いに来たその親子の

相談にのってあげるのでした。

暖房の焚き火を確保するグッズが目当て。


まずは焚き火調理台を勧めるなでしこ。

しかしパパさんは値段を見て悩みます。


そこでなでしこの出した解は、

「焚き火での調理はひとまず考えないで

 シンプルな焚き火台ならお手頃価格。」


しかしそれは Forest Owl には置いていない。

けどお向かいの [Goalman] にあるよって。

せっかくの商機を逃してた。

「ウチの商品も売ってよ~?」


キャンプをより楽しめるように

お客さんにアドバイスしたいあまり、

隣のアウトドア用品店で買うよう進めたり。


正直なあまり、仕事の本分を

少し忘れがちになっているところとかが

高校生から変わらない なでしこ らしさ。


その次に入ってきた高校生3人組。

3人ってのもミソです。


値札の数字の大きさに面食らって、

「かわいい」とガスランタンに目をつけて。

まるで昔の自分を見ている気分だ…


って思ってそうなことが

言葉なく表情で伝わってくる表現も鳥肌。

少し切ない感じのメロディーも

ノスタルジーを引き立てていてバッチリ。


「火、つけてみますか?」


かつて、なでしこ自身が言われた台詞と

一字一句いっしょですもんね。


火をつけたランタンに見とれる3人。

その様子を微笑ましく眺めるなでしこ。

お姉さん度が高くってもう…


「大人になったんだな…」って

寂しい気持ちになるシーンでした。


ここでながれている音楽は、

♪ お姉ちゃんいつもありがとう の

最後の部分のメロディに雰囲気が似てます。

これは、なでしこが桜にエコカイロを

プレゼントする場面での曲でした。


♪ お姉ちゃんいつもありがとう

レシドレソファレー ドレミレー

レシドレソファレー ドレミファー


♪ ランタンの思い出

レ ドレソー レド ドーレーファー

レ ドレソー レド ラー


一致しているところが分かりやすいように

上下を揃えるため空白も入れてます。

空白の位置は休符とは一致しません。


少しこじつけ感がありますが、

作曲者さんも狙っているのだとしたら、

音の欠落と多少の改変によって

古ぼけつつある記憶の質感を表現している。

すばらしいセンスだと思います。


あと、なでしこが思い出しているのは、

ランタンを買えた嬉しい思い出だけでなく、

お姉ちゃんにもプレゼントしたな〜って

ところまで思い出していたのでしょうか。


なでしこは芯まで心優しい子なんだよ。

いえ、もう大人なんだよ…


ちょっと前まで自分も高校生で、

今は大学生になったので

「なでしこ達ももう完全に歳下かぁ…」

ってしみじみとしてたら急に大人になって…


大きくなったなぁ、って一言が

これほどまでに心込もる言葉になるなんて。


切なさと素直な驚きとで

既に感情ぐちゃぐちゃで見てました。


そしてこの音楽が映画後半で

回収されるんですからね…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る