【未完】別世界のある国の海軍元帥さん、推しのVtuverの配信に公式垢のままコメントしてしまい伝説となる

@trycat

第1話 全ての始まり

「元帥!お疲れ様でした!それでは失礼いたします!」

「うむ。」

そう言って宮嶋中将が自分の部屋を退出したあと、佐須こと儂はスマホを取り出し、サースーブを表示する。これだけなら普通の海軍元帥に見えるだろうが儂は普通ではない。なぜならば…。

「うひょー!!!今日も雨空ちゃんは可愛いのぅー!!」

そう、オタクである。それもVtuverの。

儂が推している子は雨空美月という名前のVtuverである。登録者は76万人いてYのフォロワーも30万人ほどいる有名Vtuverである。

今はちょうど海の話をしている。儂の専門分野じゃのフォフォフォフォ。


[私はねー、海で泳ぎたいというか船に乗りたいんだよねー。船から水平線の向こうに見える夕焼けを見ながら団子食べたいだー!]


—————————

•草

•なぜに団子?

•そもそも海に行きたいと思えるのが凄い。俺は家から出たくねぇ。

•↑働け

——————————

めちゃくちゃ面白い!というような感じではないのだがどこか抜けているので少し面白く、そして声がいい。人気の秘訣はそこじゃろう。そういう儂も声を聞いて推しになったからの。人のことを言えんわい。

コメント欄もにぎやかで儂も何回かコメントしたことがある。

……反応はしてもらえなかったが。


まあ過去の話はいいのじゃ!儂の専門分野である海の話をしてる今!それっぽいこと言って反応してもらうのじゃ!スパチャもするぞい!

ちなみに彼女の容姿(Vtuverの)は銀髪ロングの小顔でスタイルは普通。服装はどこかの名門私立校のような制服じゃぞ!



よし!では…行くぞ!


[なんで団子かって?そりゃ食べやすいしー、美味しいしー、安いでしょ?そりゃ団子一択よ。]


———————

•ええ…(困惑)

•あんぱんでもよくね?

•↑あんぱんも意味不

•草

•久々に団子食いたくなってきた。

海軍司令部(公式)/船で海に行きたいならいい船を用意しますぞ

•船の上なんだから魚食えよ

————————

これでよし!あとは読まれるのを待つだけじゃ!

「元帥閣下!」

ドカッ「な、なんじゃ!」

そんなとき急に先程の宮嶋中将がやってきた!

「急遽統合司令部総司令官梶閣下がうちを訪問しに来られるようです!」

「は⁉︎あのクソジジイなにしにきやがった!」

「上官に向かってじじいはダメです元帥閣下!理由は私にもわかりません!どうなされますか!」

「と、とにかく、迎える準備をしろ!儂は門でジジイがくるまで待機しとく!

「はっ!了解致しました!では!」

そう言って宮嶋中将は部屋を出て行った。

「最悪じゃぁ~。折角のコメントがぁ~配信がぁ~。」

本当に最悪じゃ!あのジジイ急に訪問してくるなんて最低な野郎じゃ!人に対する配慮というものがないのか!

ジジイジジイと呼んでいる梶三郎は儂と高校からの腐れ縁でなにかと喧嘩してきた。昔からデリカシーのないやつだとは思っていたがまさかこれほどだとは….。


「あとでアーカイブ見るしかない!クソが!」

そう言って儂は扉を強く開けて部屋を出て行った。

自分のコメントがネット中に晒されていることを知らずに…。

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