親指の先からあなたへ
日比谷野あやめ
気使い
嫌いを好きだと言うことが
気をつかうことだと思ってた
愚痴や悪口お手のもの
裏と表と二枚舌
大して興味のないものを
無理やり惰性で追いかけて
私もそれが好きなのと
言っても心は上の空
見抜かれないとでも思ってた?
見抜かれないと思ってた。
好きを嫌いだと言うことが
気をつかうことだと思ってた
枕に出来る分厚い本は
ベッドの下の
小さな本棚にしまいましょ
時計やポットや赤い薔薇
子供部屋の
小さなおもちゃ箱にしまいましょ
これでいい?
これでいい。
泣きたくても笑いなさい
馬鹿にされても笑いなさい
空はいつでも日本晴れ
地べたに膝を屈する人々の群れ
頭では分かっても
身体はちぐはぐ動かない
意識をしようとしてるのに
身体の内へ萎んでく
指先から腕
腕から肩
肩から胸へと
子供部屋に残されたのは
糸のなくなったお人形
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます