第15話 天空の監獄
「ティオちゃん、追手は居ないよ〜」
「そうか、そうか、なーら良し。」
眼の前にはテントの中で会ったティオと言う人物、それともう一人。
「あなたは?」
「ウチ?ウチはテーレだよ、よろしくね〜」
「助けてくれてありがとう、俺はキラだ。」
「よろしく。」
「ふ〜ん、キラちゃんね〜、分かったよ〜」
「え?ちゃんって、俺は男だけど、」
「いいのいいの、ウチは誰でも、ちゃん付けだから〜」
「はいはい、テーレちゃんは奴らの足止めしてきて、僕はそこの二人を上に送るから。」
「は〜い、じゃあ行ってくるね〜」
そう言うと、テーレは飛んで、屋根の上を走って行った。
「じゃあ、さっさと上に行きますかね。」
「少し、待ってくれ、メイリィ早く起きろ!」
俺はメイリィの肩を掴み揺らす。
「う〜ん、あと五分だけ…う〜」
「何言ってんだ、五分も、五秒も、あるか!」
「あっ、キラか、」
「はぁ、やっと起きたか、ほら行くぞ。」
「え、待て、待て、状況がまだ分からねぇ。」
俺は歩きながらメイリィに状況を説明した。
「なるほど、そういう事か。」
「そうだ、そういう事だ。」
「ちょっといいかな?」
ティオが後ろ歩きしながら喋りかけてくる。
「君達はこの下の存在を知っていたかな?」
俺とメイリィは顔を横に振る。
「そうか、そうか、まぁ、普通は知らないよね〜
実はこの場所ってこの下の街が先に作られたんだよ、王国は後付だね。
この場所の本当の目的は、罪人を幽閉する場所
此処こそが、天空の監獄、ブルースカイアだよ。
笑っちゃうよね、昔は怖い怖〜い監獄なのに
その上に、笑いの耐えない王国を作っちゃうんだから。
まぁ、今となっちゃ王国の為の労働施設だけどね〜。
まっ、そんなのどうでもいいか、さぁ行こう。」
そんな事があったのか…此処はどうやら普通の国ではないみたいだ。
「おっ、着いたよ。
この螺旋階段を登っていけば仲間のとこに行けるね。
よ〜し行こう!」
俺達は難なく上に着いた。
「じゃあ、扉を開けるよ〜ほい、」
扉が開くと、光が指す。
やっと戻って来れた。
「メイリィ!みんなのとこに行こう!」
「あぁ!」
俺達は走って仲間の場所に行く、
「あっ、キラ!メイリィ!」
「やっと戻って来た!」
俺達は仲間の元に帰って来た。
「ありがとうティオ、よく連れ帰って来てくれた。」
「いえいえ、僕は当たり前な事をしたまでですよ、クリスさん。」
「じゃあ、僕は情報収集に戻りますね〜」
ティオはそう言うと姿を消した。
「あっ、そうだ、キラ、メイリィ、この国は思った以上に厄介そうだ。」
アランがクリスから聞いた今回の件をすべて話した。
「なるほど、今日の夜に開催する建国記念の祭り、その時に何かが起こる。」
俺が確認しているとクリスが言う。
「多分、キラさん達が狙われたのは、危険視されたからだと思います。
それを承知で聞いてください。
どうかお願いします、俺達に力を貸してください。
誰かが…誰かがこの国のみんなを危険な目に合わそうとしている。
みんなの笑顔を奪おうとしているんだ!それを黙って見ている事なんて出来ない、俺はサーカス団、団長クリス!みんなを笑顔にする者だ、だけど、力が無いのは確かだ、力の無い奴が何言っても変わらないかもしれない、だがアラン、君達には力がある。
図々しいのは分かってる、だがこの通り、頼みます。」
そう言い、クリスは深く頭を下げる。
「頭を上げろよ、クリス、俺とお前は友達だろ?
それに俺達の答えは決まってる!
俺達はお前の手紙で此処に来ることを決めた!
だから絶対に助ける!
みんなの笑顔を守るぞ!」
アランはクリスの肩を少し叩き、俺達は覚悟を決めた。
「あぁ、ありがとう…アラン。」
「みんな、この事件を、解決するぞ!」
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