第10話✴️死んだパパママ

早いものだ、もうお正月かぁ、、

はるー早く手伝ってよーと、下の部屋からの声。

ママの、明るい声が 僕は好きだ。

この台所も好き、、、

 何してるの!早く食器洗ってよ たまってるやつね!

はいはいはい、と返事をしながら腕まくり。

おじさんは、優雅に正月のテレビの前で笑ってる、

その笑い声も ぼくの好きなやつ。


ママがクリスマスに買ってくれた、このスカート最高に、ぼくに似合う。さすが、おばさんだ!いやいやママだ!

 はる スカートかわい似合うよ

ママは言ってくれた。


天国のパパもママも? 言ってくれる? はる!かわいい!と。


わかってもらうまで、女の子になりたい!ぼく?僕?じゃない!私と言って毎日過ごしたい!もちろん家の中だけ、時間をかけたよ、ぼく。

毎日、気持ちがモサモサして 気持ちが悪かったよ。

兄ちゃんに、女の子みたいに、まとわりついたせいで、兄ちゃんは嘘までついて、一度家を出ていってしまった。

僕だけ知らなかった嘘だったよ。

ねえ、聞こえる?みてる?パパママ!

二人が信号待ちしてた、あの日、ただ、スカートはいて、パパママー!!って走り寄っただけだよ、なのに、なんで恥ずかしそうに 走り出すのさ、信号!赤!だった!まだ赤だった!バカバカバカ!

 二人が死んだのは、私のせいなの?はるのせい?でも、はる、私は女の子になりたかったの。


いま、家の中の女の子に、してもらえたよ。はるのパパとママは、ここにいる 二人だから。



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