第31話 男の娘は恋に落ちる

 勇者達の二パーティーがそれぞれ奮戦する中、シュウトは面白いオモチャを見つけていた。

 以前から気になっていたのだが、どっちなのか悩んでいたのだ。


「おいお前、ああそうだお前だ」


 城での訓練が終わった勇者の中に、男物の訓練服を着た女性がいた。

 髪はサラサラのショートヘアーでピンク色、線も細く愛嬌もあるのだが、何故か男に混ざって聖女として訓練を受けていた。


「……⁉ あ、ああっ! !?!?!?!!!!」


 女性? はシュウトを見ると両手を頬に当てて驚いているのだが、そのまま固まって動かなくなり、よく見ると小刻みに震えている。


「ん? どうした、訓練で疲れているのか?」


 シュウトは少し屈んで顔を覗き込むと、女性は顔を真っ赤にして後ろに倒れ込んでしまった。

 なのでシュウトはお姫様抱っこで勇者部屋へと運び込む。


「ん……あれ? ここはどこ? あ! さっきのお兄さんはどこ!? ああ、夢だよね、あんな理想の男の人なんてそうそう居るわけが――」


 女性はベッドから体を起こすと落胆しているのだが、ドアの一つが開くとそこからすっ裸のシュウトが風呂から出てきた。

 その体を見て「きゃっ」と顔を覆うのだが、お決まりなのか指の隙間からしっかりと見ている。


「目が覚めたのか?」


「あわ、あわわわ、わわわわっ!」


 シュウトは少し濡れた体のままでベッドに腰かけると、エルフメイドがシュウトの体を丹念に拭き始めた。

 その姿を女性? はボーっと我を忘れて見ているのだが、女性の一部分がとても元気に勃起していた。


「お前はなんだ? 体は男なのに心は完全に女だ。男が好きで女のふりをしている訳ではないんだろう?」


「え? えっと、どうしてそれを知っているんですか?」


「俺は男か女かは見ればわかる。だがお前はどっちでもない、いやどっちでもあるか。だから興味が湧いて声を掛けたんだ」


 シュウトは立ち上がるとエルフメイドに白いカーディガンを着せられ、ベッドに向いているソファーに足を組んで座る。

 すると女性? は足の付け根付近をチラチラ見ている。


「僕は、僕は男の人が好きなんです。でも男として好きなんじゃなくって、女として男の人が好きなんです。だから好きな人の子供を産みたいし、女として愛されたいんです」


 女性? は見た目は女性だが体は男なので、女装趣味や男装趣味ではない。

 これこそが産まれる性別を間違えたという例なのだろう。

 ザナドゥ王国には良い男が沢山おり教官達にも興味はあったようだが、カッコイイ人だな止まりだったようだ。

 そこにシュウトが現れたものだから一目で落ちてしまったのだ。

 ベッドの上を四つん這いでシュウトに近づき、期待した顔で問いかける。


「あの! お兄さんは僕みたいな男に興味があるんですよね!? じゃあじゃあ、もしかして僕の事を……」


「興味はあるが、お前が言いたい事は、俺とお前が付き合えるかという意味か?」


 激しく首を縦に振る。

 それに対してシュウトの返事はとてもシンプルなものだった。


「無理だ」


 期待した表情のまま固まる。

 興味があると言っても男か女かわからないから興味があるだけで、そこから付き合うという方向に話が進むのが変なのだ。

 しかし諦められないのかシュウトにさらに詰め寄る。


「お、お試しでお付き合いとかダメですか!? 僕、見た目は女みたいだって言われますから、女扱いしてくれていいんです!」


「女扱いするならヤれないとダメだろう?」


「……お、お尻が大丈夫……です……」


「それは女でも普通に使える」


「……口で……」


「同じく女は出来る」


「お兄さんのお尻に入れる事は僕にしか出来ませんよ!?」


「俺の尻は出す専用だ」


「じゃあ、じゃあ、うーん、うーん……あ! 男の僕になら男の気持ちいい所をよく知ってます!」


 それは男ならではの発想かも知れない。

 確かに男の事は男の方がよく知っているし、知識として知っている女性と違い実際に経験した事なので間違いはないだろう。

 シュウトも興味が湧いてきたようだ。


「それは女ではわからない事だな。よし、ならやってみろ」


「う、うん!」


 ソファーに座るシュウトの前に膝を付くと、シュウトは足を大きく開いてイチモツが良く見えるようになる。

 興奮していない時でも大きなソレを見て、彼女? は顔を赤らめながら静かに両手で持ち上げる。

 ズッシリと重みがありこの状態でも口に入れるのは大変そうだが、大きな口を開けて柔らかいソレを口の中に入れる。


「ん……じゅる……はぁはぁ、凄い……レロレロ……ちゅば」


 彼女? はかなり必死にくわえており、彼女? のイチモツもはち切れんばかりに大きくなり、ズボンの上からでもカウパー液が染みてくるほどに興奮している。

 しかし。


「あれ? あれぇ? どうして、どうして硬くならないの?」


 彼女? は見た目は可愛い女だ、しかし体は男だ。

 それを知っているだけに、シュウトはどうしても興奮しなかったのだ。


「やはりダメだな、男だと知っているから興奮しないな」


 彼女? の頭をガシッと掴んで引き離すと、最後まで吸い付くもののツーと糸を引いて口が離れ切れる。

 名残惜しいのかと思ったが、シュウトと付き合えないと思い最後のあがきをした様だ。

 それにしても悲しんでいる様子は本当に女性にしか見えず、シュウトも「どうしてコレが男なんだ?」と思ってしまう程だ。


「ああ、男じゃなければいいのか」


 どうして男なのか、と思ったのだから男でなくせばいい。

 シュウトは立ち上がり彼女? をベッドに押し倒すと、彼女? は何をされるのかと驚くものの、拳を振り上げているのを見て絶望する。

 嫌われ……そう思った瞬間、彼女? の胸にシュウトの拳がめり込みグリンと捻ると、拳は体に入り込み血があるれ出て来る。

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