AIと書いたおかしな話
葦沢かもめ
からあげにレモンをかけたら死刑です
こんにちは。今回は「レモンかけ罪」という法律によって私が体験したことについて、皆さんにお話ししたいと思います。
「レモンかけ罪」という聞き慣れない言葉に、首を傾げる方も多いでしょう。まずは一体それがどんな法律なのか、簡単にご紹介します。
「からあげにレモンをかけた人には死刑を!」
総理大臣による冗談とも本気とも分からない発言から始まった「レモンかけ罪」は、今国会で賛成多数により可決されました。正式名称は「檸檬等柑橘類による揚げ物侮辱罪」。今年十月より施行され、テーブルを囲む全ての人の許諾無くからあげにレモンをかけた人物には、一滴で懲役十年、二滴で無期懲役、三滴以上で死刑が下されることになりました。より正確には、レモンだけでなくカボスやスダチもダメ。ただしユズはOKとのこと。
一見すると取るに足らないことと思われるかもしれませんが、この法律が施行されたことで、一部の人々の日常が一変してしまったのです。
私を含め、からあげにレモンをかけることを愛する者にとって、レモンをかける行為は欠かせない儀式のようなものでした。レモンの爽やかな酸味が、からあげの味わいを格段に引き立てることは自然の理です。しかし「レモンかけ罪」によって、このささやかな喜びは一瞬にして奪われてしまいました。
私はレモンの代替品を求めて、様々な試行錯誤を重ねました。レモン風味のスパイスをからあげにかけてみたり、レモン型のグミやレモン風味の飲み物、レモンの香りのキャンドルを試したり、挙句の果てにはレモンの絵を描いてからあげに乗せてみましたが、本物のレモンの爽やかさには到底及びませんでした。
友人からは「レモンのことは忘れて、代用品で満足したら?」と助言されましたが、私にはどうしても受け入れられませんでした。レモンをかける自由を奪われたことで、心に大きな空洞ができたような感覚に襲われ、簡単には癒やせない喪失感に襲われたのです。
そんなある日、偶然見かけたネットメディアの記事で、「合法レモンの研究をしている」という研究者の情報を見つけました。その文字は、まるで光っているようにすら見えました。もしかしたら、これこそが私の探し求めていた答えなのかもしれません。
「合法レモン」を研究している博士のもとを訪ねる決意をした私は、長い旅路の末、山間にひっそりと佇む研究所へとたどり着きました。
研究所の扉を叩くと、白衣を纏った老齢の博士が現れ、まるで私の来訪を予期していたかのようににこやかに迎え入れてくれたのです。
「レモンをかけるという自由を求めて、ここに参りました」と切り出した私に、博士はしばし思索にふけった後、語り始めました。
「レモンをかける行為は、単なる嗜好の問題ではありません。それは、人々が自由を感じるための重要な儀式なのです。長年にわたり合法レモンの研究に勤しんできた私の目的は、まさに人々の自由を取り戻すことにあるのです」
博士の言葉は、私の心にずしりと深く響きました。そして博士は続けます。
「ただし、自由と秩序のバランスを保つことは容易ではありません。レモンをかけることを全面的に解禁すれば、社会は混乱に陥るでしょう。かといって、完全に禁止してしまうのも、人々の心を蝕んでしまうに等しい。だからこそ、合法レモンが必要不可欠なのです」
博士の研究室に案内された私は、そこで驚くべき光景を目の当たりにしました。
研究室のテーブルの上には、黄色い果実が置かれていました。一見、本物のレモンと見分けがつきません。その果皮は、まるで太陽の光を浴びて育ったかのように鮮やかで、表面にはレモン特有のでこぼことした質感が再現されています。
合法レモンを手に取ってみると、その重量感と果皮の柔らかさは天然のレモンそっくりです。指で軽く押すと、果皮がへこみ、そこからはほのかにレモンの香りが鼻をくすぐります。
合法レモンを包丁で半分に切ってみると、透明感のある果汁が飛び散り、周囲にレモンの爽やかな香りが広がります。内側にはきめ細かい果肉が詰まっていて、果汁であふれんばかりです。
「合法レモンの開発には、私の柑橘類に関する長年の研究と試行錯誤が役に立ちました。レモンの風味を構成する主要な化合物を同定し、それらを再現することに成功したのです。シトラール、リモネンなどの化合物を適切な比率で配合することで、天然のレモンと見紛うばかりの風味を実現することができました」と博士は語ります。
「合法レモンは天然のレモンと同様の酸味も備えています。クエン酸とリンゴ酸を用いることで、レモンの持つ爽やかな酸味を再現したのです。これにより、合法レモンは料理の風味を引き立てる効果も持ち合わせているのです」
博士の説明は、合法レモンが天然のレモンの優れた代替品であることを如実に示していました。
しかし博士は、「合法レモンは完璧ではありません。天然のレモンが持つ複雑な風味の全てを再現することは、現代の科学では不可能に近いのです。ただ少なくとも、からあげにレモンの風味を加えたいという願いは叶えられるでしょう」と謙虚に語るのでした。
合法レモンの限界を認めつつも、その可能性に希望を見出す博士の真摯な姿勢に、私は心打たれました。
博士が合法レモンを絞った瞬間、本物のレモンを思わせる香りが辺りに広がりました。その香りは、レモンをかけることを愛する者にとってのは、真っ暗な洞窟の中に差し込んだ一筋の光のように感じられたのです。
博士から合法レモンを分けていただいた私は、急いで懐かしのからあげ屋へと足を運びました。店内に一歩足を踏み入れた瞬間、黄金色に輝くからあげたちが、以前と変わらず私を出迎えてくれました。
人目につかない座席についた私は、ポケットからこっそりと合法レモンを取り出し、そのからあげに絞りました。
合法レモンがからあげの上に降り注ぐや否や、レモンの爽やかな香りが鼻腔をくすぐり、懐かしい記憶が鮮やかに蘇ってきます。
そして、からあげを口に運んだ瞬間、私は言葉を失いました。合法レモンの酸味と風味が、からあげの味わいを見事に引き立てているではありませんか。まるで、「レモンかけ罪」が施行される前の時間に戻ったかのような錯覚さえ覚えたのです。
しかし、心の奥底では、どこか物足りなさを感じずにはいられませんでした。合法レモンは天然のレモンを見事に再現してはいますが、やはり完璧な代替品とは言い難いのです。
そんな中、一人の老紳士が私に話しかけてきました。
「あなたが使っているのは、合法レモンですね?」
合法レモンのことを知る人物が、博士以外にいるはずがないと思っていた私は、驚きを隠せませんでした。警戒しながらも老紳士に頷くと、彼は合法レモンを譲ってほしいと頼んできました。
「実は、私も昔からレモンをかけたからあげが大好きだったんです。でも、『レモンかけ罪』ができてからは、我慢しているんですよ」と老紳士は打ち明けました。
私は、老紳士の切実な思いに共感を覚えずにはいられませんでした。レモンを愛好する者同士、助け合うのは当然のことだと思ったのです。快く合法レモンを譲ると、老紳士は目を潤ませて感謝の言葉を述べました。
その時、老紳士は私に衝撃の事実を明かしたのです。
「実は、私こそが、『レモンかけ罪』を制定した張本人なのです」
その告白に、私は愕然としました。レモンを心から愛しながら、レモンを禁じる法律を作るとは、なんとも皮肉な矛盾ではありませんか。
政治家は、悲しそうな顔で語り始めました。
「あの法律は、レモン農家を多く抱える農協が法案に反対する野党側についたものの、その他の業界団体が賛成派に回ったため、早期に決着がついてしまいました。各団体の上層部は年配者であるために知覚過敏が多く、レモンを敵対視していたこと、そしてユズ至上主義者の経団連会長が早々に賛成論を唱えたことも大きな後押しになりました」
政治家は深いため息をつきました。
「党内では、私も含め、この法律に疑問を呈する声が多くありました。しかし、総理大臣の意向が忖度され、法案通過が最優先であると決まってしまったのです。レモン農家の窮状を改善する方策を真剣に議論するよりも、誰もが目先の政局を気にしていました。そして私自身も、党議党則に縛られてしまった。私の責任は重大です」
私は、政治家の言葉に驚きを隠せませんでした。レモンをめぐる政治の裏側が、こんなにも複雑だったとは。
「あの法律は、結局レモン農家も救えなかった。レモンへの風当たりは強くなり、消費は減るばかりでした。法律を作るだけでは、根本的な解決にはならなかったのです。私は、もっと別の道があったのではないかと、悔やんでも悔やみきれません。レモン愛好家として、心が引き裂かれる思いでした」
政治家の告白を聞いた私は、複雑な心境に陥りました。法律を作った人物もまた、レモンを心から愛する人間だったのです。
私たちは、黙々と合法レモンをかけたからあげを味わいました。酸味が口いっぱいに広がる幸福感に浸る一方で、この幸福感がいつまで続くのかという不安もよぎるのでした。
政治家は、満足そうに食べ終えると、ゆっくりと立ち上がりました。
「私も『レモンかけ罪』については、もう一度考えてみますよ。あなたとの出会いに感謝します」
そう言い残して、政治家は去っていきました。その背中は、重たい岩を背負っているかのようでした。
いつか、レモンをかけたからあげを堂々と食べられる日が来るのでしょうか。
からあげ屋の窓から差しこむ夕日が、テーブルの上でゆらめいていました。その光は、まるでろうそくについた炎のようでした。
答えは出ませんでしたが、合法レモンの味だけは、確かに私の舌に残っていました。
ふと、からあげを食べ終えた皿の上に、レモンの種が一つ載っていることに気が付きました。私は、その種を手に取り、ポケットにそっと仕舞いました。
この小さな種が、いつか大きなレモンの木に成長することを願わずにはいられませんでした。
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原案・編集:葦沢かもめ
執筆:Claude3 Opus
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