7
目を閉じて少しだけ考えをまとめてから氷川さんはむーとくーを見る。
「それは私にもわかりません。竜がいつの時代に生きていて、どんな生活をしていたのか、寿命はどれくらいなのか? 群をなすのか? なにを食べていたのか? 空を飛ぶことはできるのか? ……なぜ、絶滅してしまったのか? なにもわかりません。竜の研究はまだ始まったばかりで、わからないことばかりなのです」氷川さんは言う。
「予測はあります。おそらくは恐竜と同じように気候変動によって食べ物がなくなって、絶滅したのだと思います。でもね、私はきっとそれだけではないと思っているんです。これは考古学者としての私のかんですけどね。これが今の私の答えです。いいですか? くーちゃん」と氷川さんは言った。
「はい。わかりました」と元気よくくーが言った。
それから氷川さんはむーを見る。
「むーくんはなにか質問が私にありますか?」
そう聞かれてむーは少し迷ったのだけど思い切って質問してみることにした。
「あります。あの氷川さんはどうして僕たちにこんな風にお忙しい中で、たくさんのお話をしてくれるんですか?」とむーは言った。
「それはくーちゃんに続いてとてもいい質問ですね」と(すごく嬉しそうな顔で)氷川さんは言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます