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その大人の女の人の名前は氷川ゆうさんといった。氷川さんはスーツの上に白衣を着ていて、首からさげるようにして、博物館の関係者をあらわしている身分証をつけていた。
氷川さんはむーとくーに自分の自己紹介をしてから、二人のお父さんとお母さんのところにいって、二人をお話をする許可をとってまた元の場所に戻ってきた。
なんと氷川さんはただの博物館の関係者の一人ではなくて『竜の化石を発掘した考古学者本人』だった。(むーはすごくびっくりした)
そのことでむーが目を輝かせて「すごいです」というと氷川さんは「そんなことはないんだけどね。本当に私の場合は運がよかっただけだしさ」と照れ笑いをしながら氷川さんは言った。
氷川さんはとても若い女性の新米考古学者で地元の東北地方で自分の興味のある研究を大学に所属しながらはじめたばかりだった。でも、そのときに何回目かの調査のなかで山奥の地で大地が大きく裂けている場所を見つけた。そこに竜の化石があったらしい。
「その山ね、本当につい最近、近世になるまで地元の聖域とされている場所で立ち入りも調査もできなかった場所なんだ。そこを私がたまたま運よく調査できるようになったの。私の地元では有名な場所だったけど、全国的には全然有名じゃなかったから、ほかにその土地を調査しようとする考古学者は誰もいなかったんだよ。まあ、ラッキーだった」買ってきたコーヒーを飲みながら氷川さんは言う。(むーとくーは氷川さんの話を黙って真剣に聞いていた)
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