#2 ピアス

ピアスホールを増やした日のことを

たまに思い出す


1つ目は右耳、高校1年生

衝動的に、理由もなく


2つ目は左耳、高校2年生

彼がピアスをプレゼントしてくれたから


3つ目は眉尻、高校3年生

彼と別れたから


4つ目は唇の端、20歳

お酒を呑んだ勢いで


思いかえせば、

彼がプレゼントしてくれたピアスは

本当は好きなデザインじゃなかったし、

別れたときだって

彼の思い出を汚したくて、あけただけ

お酒の勢いであけたときは、

言いたいことも言えずに、

うじうじしてる自分が嫌だったから

あけただけ


たいした理由がなくても

全部に一生懸命だったし、

その時はそれが全てだった

小さな痛みが、大きな痛みを

和らげてくれる気がしていた


今日、5つ目をあける

わたしの舌に入るピアスは

また1つわたしを強くしてくれる







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