5
「僕からプレゼントがあるんだ。うけとってくれるかな? お姫様」
そう言って王子さまはリボンで巻かれた小さな白い箱をてのひらの上にのせて私の前に差し出した。
「うれしい。ありがとう。開けてもいい?」と小さな白い箱を受け取りながら私は言った。
王子様がうなずいたので、私が箱をあけるとその中にはかわいい星のペンダントがはいっていた。黄色い五芒星の星のペンダントだった。
「さっそく、身につけてもいい?」
「うん。いいよ。」と言って王子さまは私が持っていた星のペンダントを手に取ると私の後ろに回って「髪をあげてみて」と言って、私が自分の髪をあげると私の首に星のペンダントをそっとつけてくれた。
くるりとまわって「似合うかな?」と私が言うと「とっても」と王子様はいった。
赤色の絨毯がひかれた床と大きな光るシャンデリアのあるとても高い天井。螺旋状の白い階段。何枚も壁にかけられている、とても高価な美しい絵画。(でもそれらの絵画はどこかでみた覚えのない新しい強い刺激を受ける不思議な絵画ばかりだった)
「こっちにきて。まずは食事にしよう。お姫様」
と王子様は言った。
「うん。わかった。歩き疲れておなか減ってたんだ」とお城の風景をきょろきょろと(小動物みたいに)見渡しながら私は言った。
王子様の開けてくれた扉の中に入るとそこはどうやら食堂のようだった。
とても大きな食堂だ。きっとこの場所なら十人以上の人が一度に食事をすることができるだろう。
そんな大きな長方形の形をしたテーブルの一番端っこの席に私たちは向かい合うようにして座った。(空いている椅子の上にはくまのぬいぐるみがおいてある)
いい匂いのする木製の椅子は少し大きくて私の足は少しだけ空中に浮いている。
真っ白なテーブルの上にはもう食事をするための準備がすべて整えられている。
ろうそくと花瓶に入れられている赤い花と真っ白なお皿とその両脇に置いてある銀のナイフやフォーク。スプーン。透明なグラス。白いナプキン。
そんな見たこともない食卓の風景を見て、これからどんなごちそうがでてくるのだろう? と思ってわくわくした。(よだれもでていたかもしれない)
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