M字館殺人事件

第5話

　中村の遺体の監察を終え、西村は自分の部屋に戻ります。部屋は静寂に包まれ、暖炉の炎が揺らめいていますが、その暖かさも西村の心を落ち着かせることはできませんでした。

　眠りにつくと、西村は不気味な夢に襲われます。彼はM字館の廊下を歩いているようですが、どこか異様な雰囲気が漂っています。廊下の壁には影が蠢き、足元からは薄い霧が立ち込めています。

　不気味な音が聞こえ、西村は周囲を見回しますが誰もいません。やがて、廊下の先には暗闇が広がっており、西村は恐怖に震えます。

　突然、背後から誰かの足音が近づいてくるのが聞こえます。西村は振り返りますが、そこには何もありません。不安に駆られながらも、彼は進み続けます。

　暗闇の中で、西村は自分が追われているような感覚に襲われます。足音が速くなり、彼の心臓は激しく鼓動します。やがて、目の前にはM字館の非常口が現れますが、その先には何も見えません。

　西村は絶望感に襲われ、その時に目が覚めます。汗をかきながら息を荒くし、彼は悪夢の影響を引きずりながら眠りにつくのでした。

　西村が目を覚ますと、部屋の中は静寂と暗闇に包まれています。彼は一度深呼吸をしてから起き上がり、窓の外を見ると、驚くべき光景が広がっています。

　窓の外には、大雪による崖崩れが起こり、M字館が孤立していることに気づきます。崩れた雪の塊が建物の周囲を覆い、外部との連絡が断たれていることが一目で分かります。

　西村は驚愕と同時に、孤立した状況に対する不安を感じます。突然の崖崩れで、建物は雪によって完全に隔てられてしまいました。

　部屋を出て廊下に出ると、他のゲストやスタッフも同様に驚きと不安を抱いています。話し合いの中で、M字館が孤立していることが確認されます。

　この緊急事態に対応するため、西村と他の者たちは協力して行動を起こし始めます。孤立した状況での生活や救助要請、必要な物資の確保などについて話し合いながら、彼らはこの突然の事態に立ち向かっていくのでした。

　西村たちが朝食を取るシーンを描いてみましょう。

　午前7時、M字館の食堂に集まったのは西村、赤木医師、左近刑事、そして鍋島警官です。彼らは前夜の崖崩れと孤立した状況、そして殺人について話し合いながら、朝食を楽しんでいます。

　食堂は暖炉の炎と朝日の光で暖かく照らされており、外の吹雪とは対照的に穏やかな雰囲気が漂っています。テーブルには美味しそうな料理が並び、香りが部屋に広がっています。

　西村は赤木医師に崖崩れによる負傷者の状況を尋ねます。赤木医師は冷静に状況を説明し、負傷者の治療に全力を尽くすと誓います。

　左近刑事と鍋島警官は孤立した状況での対応策や救助の可能性について話し合っています。彼らは情報収集や連絡手段の確保など、必要な措置を検討しています。

　食堂の雰囲気は一時的に和やかになり、食事を楽しむことができますが、周囲の緊張感と不安も感じられます。彼らは困難な状況に立ち向かう覚悟を持ちながら、朝食を取り終え、次の行動に移るのでした。

　食後、西村は自室でニュースを見た。

◎日本の首長で最高齢だった新潟県出雲崎町長の　　　　小林則幸（90歳）が退任式。9期36年の町政運営に幕を閉じた。

◎『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』が劇場公開。

　西村は考え事をしていた。

　左近刑事と鍋島警官がM字館にいた理由は、M字館での特別な任務や調査活動に関連していた可能性があります。以下にいくつかの理由を挙げてみます。

1. **警察関係者としての訪問**: M字館が所在する地域や建物自体に何らかの関連性があるため、警察関係者が訪れていた可能性が考えられます。特に左近刑事は捜査官であり、事件や不審な事象の調査を行うために館に立ち寄ったと想定できます。

2. **警備活動**: M字館が特定のイベントや行事を開催していたため、警察関係者が警備活動を行っていた可能性があります。鍋島警官は警備やパトロールを担当している警官として、その任務の一環として館に滞在していたと考えられます。

3. **情報収集**: 警察関係者がM字館周辺で情報収集を行っていた可能性があります。特定の犯罪組織や不正行為の調査、または単に地域の治安維持のために、左近刑事や鍋島警官が館にいたという理由も考えられます。

4. **イベントや式典への参加**: M字館で特別なイベントや式典が行われていたため、警察関係者もそれに参加していた可能性があります。特に重要なイベントやVIPの警護が必要な場合、警察関係者が館に滞在していたと考えられます。

　これらの要因のどれか、または複数が重なって、左近刑事と鍋島警官がM字館にいた理由となっている可能性があります。