第90話 生徒会長にちょー面倒?(side甘河天聖)

「さて、と…この状況をどうしたものかな…」


生徒会長であり、召喚者の実質的リーダーを務める甘河あまかわ天聖てんせいは今の状況に少し、ほんの少しだけ悩んでいた。


「おいお前たち何処へ行く!」「痛い!痛いよお母さぁん!!」「クソっ早く逃げるぞ!」「ウッおええぇ」

「なんでだよ!なんでこんなことを!!」


「へっ!どうせこの国は俺たちを家に帰さずにていよくこき使うつもりなんだ!お前たちはどうだ!?一緒にこんな国から逃げ出そうぜ!!」

「な、何言ってんだよ!逃げるんなら勝手にしろよ!俺たちを巻き込むなよ!」


甘河たち召喚者は初心者迷宮、Gランクの迷宮にてレベル上げを行っていた。そしてある程度レベルが上がり、再度迷宮へ入る前段階で、召喚者の一部が夜逃げの準備をしており、それを見かけた兵士が声を掛けると途端に周囲を気にせずに魔術を撃ちまくる始末。結果が今のこの阿鼻叫喚の状況だ。


「おっと」


火魔術レベル30のファイヤーボールが甘河に向けて放たれた。


「チッ」


放たれたファイヤーボールを軽く避ける甘河に舌打ちをするのは3年生のさかき竜司りゅうじだ。


「榊さん、この攻撃はなんですか?僕以外なら死んでいたかもしれませんよ?」

「チッ、俺は前々から気に食わねぇと思ってたんだよ!」


「うーん…僕の何が気に食わないのかな?今後の参考にさせて貰いたいから、教えて貰っても?」「そういう、スカした態度が気に食わねぇんだよ!!」


再度ファイヤーボールを撃ち放つ榊。それを避ける甘河。


「チッ、これならどうだ!」


榊はファイヤーボールを放つ。だが狙いは甘河ではなくその足元の地面にぶつける。


「これは……」


ファイヤーボールによる砂埃により視界が遮られる。そして砂埃が落ち着き、周りが見えるようになる。甘河が見回すと既にそこには榊の姿はなかった。


「…逃げられたか」


「あ、甘河様!どういたしましょう…」

「僕はあくまでも召喚者達のリーダーで様付けされるような人間ではないのですが…取り敢えずケガ人の数の把握をお願いしても?」


「はい!了解しました!」


(どうして僕に……?あぁ、兵士長がうちの生徒を庇ってケガをしたのか。

後で謝罪しに行かないとか。

今回の事態は予想していたけど、ここまで大事になるとは思わなかった。

ケガ人は多いが死者が居ないのは、流石に榊のように躊躇ちゅうちょ無く人を殺そうと思える生徒が多くなかったお陰かな。)


めぐみ

「何」


「人数」

「21」


「男女」

「全員男。3年生で榊と同じクラス」


「ありがとう」

「別に、数えただけよ」


短い、簡潔なやり取り。されど情報の共有は確実に成された。


(逃げた生徒は全員男の合計21人。榊がクラスメイトをそそのかして決行したのだろう。全く、仕事を増やさないで欲しいんだけどね。)


「まぁ、今は臨時の兵士長のような立場に居るし、今までも兵士達とは良好な関係性を保てているからみな従ってくれるだろう。

九雲人くうとが居たら指揮の半分くらい任せて楽出来るのに…居ないものは仕方ないか。


さて、風紀委員を正愛せいあに任せてパニック状態の生徒達のメンタルケアをしてもらって、理伊音りいねにこれ以上不安が拡がらないよう生徒の指揮を取って貰わないと。

兵士には姫様にも伝えに行って貰わないと行けないし、榊への対応も考えないといけないね。

少し、忙しくなるかな」


そこまで口に出し、これからの行動を決めた甘河。使えるモノを全て使い、生徒会メンバーに指示を出し、兵士達に指揮をする。3年生を押し退けて生徒会長になった彼に隙はない。












「ふふ。さぁ、面白くなってきたぞ」





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会計 まなびめぐみold 17 

Human  Level 24

job『学生』

HP 28/30  MP 20/45

STM 4 STR 3 SPE 20 PRO 25 

MSTR 30 MPRO 3 LAC 10

STP 0


SKILL

『算術』P 『記憶』P 『記録』P 『並列処理』P『学習』P 『聖魔術』A


USKILL

『聖女』P

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『聖魔術』A…MPを消費して、聖属性魔術を使えるようになるスキル。

レベル1ヒール。MP消費5。軽いケガ等を回復する。

レベル5キュア。MP消費5。軽い状態異常を治す。

レベル15ホーリーボール。MP消費10。聖属性のボールを産み出し、それを自由に操作することが出来る。



『聖女』P…jobスキル『聖女』の劣化スキル。

聖属性系統のスキルの習得や成長に大補正。

共に歩む仲間と思った周囲の人間の獲得経験に補正。ただし自身に効果は無い。

MP5獲得。

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