第4話
まったくの機能不全だった。
なにか不穏な空気を感じたから、僕は積極的に
「こないだ一回やったからだいたいわかりますよ!」と言った。
しかし、前回に比べて明らかに仕事をする場所、やり方が不合理だ。
疑問に対する返答が、独り言みたいだ。
コミュ障。
ああ、前回は出会わなかった類の人だ。
僕も昨日飲みすぎたから酒臭いけど、彼からはもう少し強めな同じ臭いがした。
とりあえずわかるなりの仕事を進める。
そのうちに前回一緒だった若い人が来た。
「困ったね、わかんないね」
彼も苦笑いした。
そんな調子で昼休み。
コンビニで買ったカップ麺を公園ですすって仕事に戻る。
モリシタさんが困っていた。
僕らに割り振る仕事が無かった。
他のアプリ組二人が僕のところへ来た。
「こっち手伝って来て、って言われた気がするんですけど…」
「いや、こっち、無いよ。入って来ないし」
逆に二人の持ち場へ僕が行き、三人途方に暮れてると、ミズタさんが来た。
モリシタさんがやらせた仕事の不出来を指摘し、やってない事を見つけて僕らにやらせる。
もうミズタさんは「感じの良いオバサン」ではなく、まるでジュリア・ロバーツだった。
プリティ・ウーマン、ウォーキンダウンザストリート。
そして彼女は僕に言った。
「イガラシさん、ナンタラカンタラ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます