第4話

まったくの機能不全だった。

なにか不穏な空気を感じたから、僕は積極的に

「こないだ一回やったからだいたいわかりますよ!」と言った。

しかし、前回に比べて明らかに仕事をする場所、やり方が不合理だ。

疑問に対する返答が、独り言みたいだ。

コミュ障。

ああ、前回は出会わなかった類の人だ。

僕も昨日飲みすぎたから酒臭いけど、彼からはもう少し強めな同じ臭いがした。

とりあえずわかるなりの仕事を進める。

そのうちに前回一緒だった若い人が来た。

「困ったね、わかんないね」

彼も苦笑いした。

そんな調子で昼休み。

コンビニで買ったカップ麺を公園ですすって仕事に戻る。

モリシタさんが困っていた。

僕らに割り振る仕事が無かった。

他のアプリ組二人が僕のところへ来た。

「こっち手伝って来て、って言われた気がするんですけど…」

「いや、こっち、無いよ。入って来ないし」

逆に二人の持ち場へ僕が行き、三人途方に暮れてると、ミズタさんが来た。

モリシタさんがやらせた仕事の不出来を指摘し、やってない事を見つけて僕らにやらせる。

もうミズタさんは「感じの良いオバサン」ではなく、まるでジュリア・ロバーツだった。

プリティ・ウーマン、ウォーキンダウンザストリート。

そして彼女は僕に言った。

「イガラシさん、ナンタラカンタラ」

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