田舎者の俺が貴族になるまで

@satomi1112

プロローグ

「やっと帰ってきたのね、愛しの我が息子、クレブス!」

「ずっとまだなのかなぁ?って思ってたのよ?わかる?あんたのお姉さまのビュータスよ」

「我が家が公爵家なのはわかるよな?そこの長男だもんな、ハハハ!」


「おらは、そんな大そうな家の子だったんけ?」


空気が固まった。公爵家の嫡男、強い田舎訛りを出した。

即座に公爵閣下は家の使用人全員に箝口令を敷いた。


「おらぁ、なんかわりぃことしたべか?」


「クレブスは悪くないのよ?えっと、確か別荘には管理人がいたはずだけど…?」


「じっちゃとばっちゃのことけ?」


「「「管理人の責任だな」」」


クレブスは焦って言う。もう涙目だ。

「じっちゃとばっちゃはわるく゛ねぇ」


「とはいえなぁ…」


「クレブス。その言葉遣いと姿勢(猫背)は王都の社交界ではダメなのよ」


「そうなのけ?」


実に天真爛漫、純粋培養されているようだ。その点は別荘管理人の手腕は素晴らしいのだ。素晴らしいのだが…。


「これからは言葉遣いと姿勢の矯正をしてもらうわね?それまでは屋敷の外に出てはダメよ?」


「おら…しぜんとせっするのが好きなんだけんど、じかだねぇべ。おらがいけねぇんだ」


「クレブスは悪くないのよ」


ビュータスは言うが、説得が難しい。


「お願いできるかしら?姿勢をよくして、マナーと教養を身に着けるの。」


「おらは、どごにだじてもはんずがじくないようなおどこさなる!」

見た目は猫背を治せば、完璧見た目は王子様なんだけど。

問題は言葉遣いだ。と一同(使用人を含め)思うのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る