第109話 第3層テストプレイ-眷属-
「これは仕様ではありません……これは、不具合です」
3
私、スペクト・プラウスは、ロベルタ狂王女殿下に
「不具合じゃと!?」
「はい。
「なんですって!?」
クヴィラ侍女長が
が、
動揺で手元が狂ったのか、狙いが大きくそれる。
「くっ!」
「Hydiiii!」
それでも
「聞いたことがありません、戦闘中にLEVELアップするなど!?」
LEVELアップ……戦闘、鍛錬、
だからこそ、戦闘中にLEVELアップするなど、通常であればあり得ない。
あり得ないのだ。
こんな破格な特殊能力など……。
「でも、今実際に目の前で起きているよ。それは認めなきゃ」
ロベルタ狂王女殿下に
ロベルタ狂王女殿下に、ではなく、私に、諭すように。
そうだ。
あり得ないことが起きているからこそ、不具合なのだ。
ならば、私の運営プランナーとしての仕事は決まっている。
不具合の現象を見極め、原因を特定することだ。
「死ねや、オラアアアア」
ケイティ嬢の
上位技能の
そのはずだが、彼女の攻撃でも、もはや首を落とすには至らなかった。
「コイツ!!! あの邪神! あの邪神と同じ気配がします!!」
ケイティ嬢が憎々し気に言い放つ。
あの邪神?
遺跡入口に鎮座していた異形の邪神像を思い出す。
「え~、でも邪神像。なんの仕掛けもない置物だよ~。調べると槍が飛び出す仕掛け入れよ~としたら、スペクトくんに怒られたもん」
魔王ダーナ・ウェルが、
確かにそうだ。
あの邪神像は、『水没遺跡』の
こちらも事前にチェック済みで、何の
(だからこそ、魔王ダーナ・ウェルがいらない即死
だが、
2つ揃うことが不具合の発生条件だとしたら……?
あるいは、この『水没遺跡』に召喚された時点で眷属化されたのだとしたら……。
この『水没遺跡』自体が
ならば、おそらく再生能力が『
しかし、それだけではLEVELアップの条件は満たしていない。
3
?
あえて、ダメージを受けるように……。
そういえばクヴィラ侍女長の攻撃の時もおかしくなかっただろうか。
外れた攻撃を、まるで当たりに行っていたような……。
そうか!
「不具合の概要は掴めました」
私は、仲間たちに向けて説明を始める。
「予測ですが、不具合の発生条件は
「やっぱりか、あンの邪神!!」
「発生状況は、戦闘中における
「お~、すごいね~」
「手順は、受けたダメージを『
「つまり、再生を許せば、毎
「おお~、い~ね~」
良くはない。
「フム、ならどうするかね?」
ラーラ・マズール師が促す。
「あンの
ケイティ嬢が気炎を吐く。
「ですが……戦闘前ならいざ知らず、戦闘中に
クヴィラ侍女長が冷静に分析する。
確かに、今撤退を行えば、LEVELアップした
そうなれば、例え
「ならば、手はひとつ! 最大火力をもって1
我らが
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