迷宮都市運営プランナーのお仕事~魔王のせいで理不尽難易度になったダンジョンの企画運営を任されてしまった!?~
椋ノ木鳥
第1話 ある転生冒険者クンの話
「聞いて驚け! 俺は迷宮最強の冒険者になる男だ!」
「……」
「こう見えても、俺は異世界転生は2度目なんだぜ!」
「はい、転生冒険者の方ですね。それではこちらに
「あっ、はい……」
迷宮都市『アーガイン』。
その街外れにある訓練場の事務カウンターにて、俺はいきなり出鼻をくじかれた。
日本から、ひとつ前の異世界に転生し、チート能力と転生特典を駆使して世界を救い、褒美として異世界の女神に『もっとスリルのある冒険を!』と願った。
そして、この世界にやってきたのだが……。
「『ゆうて いみや おうきむ……』。えっと、前の世界だと……チート能力とか、転生特典とかもらえたんですけど……」
前世界の女神に教えられた
『イキっている』風を装ったのが間違いだったろうか?
前の異世界では、冒険者ギルドの登録時になめられてしまったので、今回無理して演じてみたのだ。
そもそも、いつもの一人称は『俺』ではなく『ボク』なのだ。
「はい、
事務カウンターに座る丸メガネの受付嬢は、朗らかに言ってのけた。
え?
◆◇◆◇
訓練場を出て、受付嬢に教えられた酒場に向かった。
そこで仲間を募ったが、自分が転生冒険者だと教えると、誰もがボクを避けた。
丸メガネの受付嬢には、「しつこく誘えば一人くらい根負けしてくれるかも」と、よくわからないアドバイスを受けていた。
が、2組目のパーティに断られた時点で、早々に諦め、酒場を後にした。
迷宮
◆◇◆◇
迷宮に向かう道すがら、こう考えた。
これはきっとアレだ、追放系の導入だ。
ボクの高すぎる能力値を、この世界の人間が理解できないとか、そういうやつだ。
いや待て。
迷宮内でピンチに陥った時に、眠っていたパワーが覚醒するパターンかもしれない!
◆◇◆◇
そして迷宮に入り、ボクは死んだ。
『ダーナ・ウェルの迷宮』。
その最弱たるモンスター
こうして、ボクは迷宮最弱の冒険者となった。
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