春夏秋冬~桜吹雪・夏匂う・秋染まる・冬の色

中村尚裕

桜吹雪

花の桜は散りゆく定め

同じ散るなら眼を奪わんと

風に吹雪を踊らせる


花弁を成すは黄金比

枝を成すのも黄金比


陽に咲き狂い

姿を誇り

周りの眼と眼を奪いに奪い

いざ今こそが散り時と

刹那の美にこそ身を染める


白には非ず紅にも及ばず

ただ誇らしげに桜色

枝を飾り宙を染め上げ

そして地までを舞い落ちる


天を覆って桜色

風になびいて桜色

宙を舞い飛び桜色

地へ散り落ちなお桜色


人を狂わせ心を酔わせ

泡沫の姿を胸へと刻む


抱くは誇りか儚さか

いずれ無常を妖しく飾る

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