第18話 幼馴染み

あの頃

箸が転がっても可笑しいんでしょ

って言われるのは、

若さの特権と思って笑っていた。

勉強が大変、受験、部活、進路、友達、恋話・・・、

それなりに大変なことは沢山あったはずなのに、

しょっちゅうバカみたいに笑っていた。


何十年か過ぎて

久々に会ったら、


ね、あの人覚えてる?

わー、いたいたぁ、と笑い、

あの時こんな事あったよね?

え、そうだっけ、覚えてない、と笑う。


親の話、介護の話、子ども、メタボ、更年期の話…、

それぞれが重ねた時間の話でまた笑える。

最近はさぁ、と

ペイペイ使えない話でウンウンと頷きあい、

パスワード間違えた話で笑い、

キーボードに八つ当たりする話で笑い、

駐車場で迷子になった話で、大笑い。


若さとか、関係なかった。

笑いのタネは増産されている。

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