思っていたよりも安全な場所

時々大爆発を起こしてしまう私。

原因は息子への勝手な期待なのだと思う。


彼は彼なりに頑張っていて、努力しているのだ。

だけど、私はそれを認めることができず、

ダラダラとスマホを触り続ける姿にイライラがたまる。


何の予定もない平日。

とあるショッピングモールにある、カフェまで気分転換にきた私の隣に座った女性。

バッグやらタブレットやらを放置して出て行って、かれこれ10分は戻ってこない。

盗まれたりしませんか?

何なら、私が盗むかも?なんて思いもしないのでしょうか?

それとも私が見張ってくれるとでも思って出て行ったのでしょうか?


万が一にも息子が同じことをしようものなら、私の大爆発が起こりますよ。

こんな調子の毎日なので、私がこの国に対するイメージはどんどん変わる。

私が赴任する前に思っていたイメージよりも、随分と安全な場所のようだ。


息子にとっての我が家は、安全な場所なのだろうか?

だからこそ、家ではリラックスし、好き勝手し、

コップから水がこぼれてもチラッと私を見た後、気が付かなかったふりをして去っていくのだろうか?

ソファで寝そべる私の足を突然叩き出し、「ドラーム(ドラム)」と言って笑っているのだろうか?


一旦怒りスイッチが入ると般若の顔をしている母親がいる家が、

息子にとって私が思っているよりも安全な場所だと思っていて欲しいと願う。



追記

カフェの隣に座った女性は、私がこの文を書き終えた今もまだ戻ってはきません。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る