第3話 モテ期

 その後、私は生徒会室に戻ると疲れきっていた。


「先輩、お疲れですね」


 声をかけてきたのは後輩の『澤田 満』であった。澤田さんはこの春から生徒会に務めてくれている、生徒会実行部員である。生徒会実行部員とは一年生が選挙で選ばれない職員で生徒会の仕事をする部員である。


 うん?何やら幻覚なのか澤田さんがビキニ姿に見える。


「間違っていたらゴメンね、澤田さん、ビキニ姿でない?」

「はい、黒のビキニ姿です」


 揺れるバストに上下はヒモで結ばれた水着である。


「それで、単純な事だけど何でビキニ姿なの?」

「ぽ、ぽ、ぽ、イヤですね、先輩、生娘にそこまで言わさないで下さいよ」


 あー生徒会副会長になってからモテ期なのか?


 そこに友美が入ってくると……。


「殿方にご奉仕か」


 友美もまた、赤のバニーガール姿であった。


 NO!!!これ以上のハーレム展開はゴメンだ!!!


 生徒会の仕事を終えて独りになった時の事である。


 私は最近のモテ期には戸惑いがちである。振り返れば、中学時代、容姿はそれほど悪く無いが、強烈なモテないオーラを出していた為に女子とは縁遠い生活であった。高校に入学してここはイメチェンだと、上位カーストに無理やり入って。人脈を作り生徒会副会長の選挙に出るまでになった。


 結果は見事に当選した。


 二年生からは無理に入っていた上位カーストを離れて真の高校デビューであった。


 そして、今にいたる。

 幽霊生徒会長に実行部員の澤田さん。駿河城先生にスミス先生とモテモテである。


 しかし、本当の愛って何だろう?


 皆に声をかける時に色々考え込んでから話をする。実に面倒臭い、最近は思うはモテるのと恋愛が上手く行くのは違う可能性を考える。


 ホント、古代ギリシャの哲学者にでも聞きたい気分だ。

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