第24話
ああいう人種には絶対なりたくないと思ってしまいます。
まあそれはさておき、話を元に戻しましょうか、
それにしても目の前の男子の視線すごく気になります。
そんなに気になるなら見るなよって思うんですけど、どうやらそういうわけにもいかないらしいです。
だって、彼女の方ってば全然気づいてないみたいなんですもん。
これはもう明らかに確信犯ですよね?
絶対にわざとやってるとしか思えないです。
しかもそれだけじゃないんです!
なんとあろうことか、今度は自分の胸に手を当てて見せつけ始めたんです!?
もう信じられませんでしたね、まさかこんな大胆な行動に出られるとは思ってもいなかったので驚きました。
それでもって、それを見た彼氏の方はと言うともう大興奮って感じでしたから。
鼻息を荒くして興奮してる様子が手に取るように分かりました。
ほんと気持ち悪いったらありません。
まあでも、これで彼女も自分の置かれている立場を理解したでしょうから、
今後は気をつけるようになるはずですし大丈夫でしょう。
そんな感じで、今日もまた騒がしい一日が終わりを迎えたわけなんですが、
このままじゃいけないという思いもあって、何か良い案はないものかと考えていたところ、ふとあることを思いついたんです。
それは、私の持つ複数のスキルを使って、彼女を救ってあげることでした。
もちろん、最初は反対されましたけど、最終的には納得してくれました。
ただ、その代わりに条件として、私自身がそのスキルを発動させることになったのです。
まあ、確かにその方が安全だとは思いますし、
私もその方が良いと思いますから、反対する理由もありません。
なので、早速実行に移すことにしました。
まずは、彼女に会うために、彼女の家まで行くことにしました。
その途中、街の中で色々な人とすれ違いましたが、皆私に気づくと、驚いた表情を浮かべて固まってしまうのです。
それは、私が複数のスキルを所持しているからでしょう。
複数のスキルを持っている人は、この世界では珍しい存在らしく、注目を集めてしまうようです。
特に、私の場合は、異世界の知識と魔法の才能を持っていることもあって、尚更目立ってしまうみたいなのです。
そんなわけで、道行く人々に好奇の目を向けられながらも、なんとか目的地に辿り着くことができました。
そこは、小さな家で、外観はかなりボロボロになっていました。
恐らく、長年放置されていたのでしょう。
ドアを開けて中に入ると、埃っぽい匂いが鼻をつきました。
部屋の中を見渡すと、家具などが乱雑に置かれており、掃除されていないのが一目瞭然でした。
しかも、蜘蛛の巣やネズミの死骸などが転がっている始末で、とても人が住めるような環境ではありませんでした。
この状態で、彼女が一人で暮らしているという事実に、胸が痛みました。
一体、どんな辛い思いをしてきたのか想像するだけで、涙が出そうになりました。
それでも、ここで立ち止まっているわけにはいきません。
私は、覚悟を決めて、奥の部屋へと足を踏み入れました。
すると、そこには、ベッドの上で横になっている彼女の姿がありました。
私は、彼女に近づくと、優しく声をかけました。
「大丈夫ですか?」
すると、彼女はゆっくりと目を開けると、弱々しい声で返事をしてくれました。
「あなたは……誰……?」
その言葉を聞いた瞬間、私は確信しました。
やはり、彼女は記憶を失っているのだと。
そして、私は彼女に全てを打ち明けることにしました。
私が異世界から来たこと、複数のスキルを持っていること、
そして、彼女を助けたいと思っていることを、全て話しました。
最初は、信じてくれなかった彼女でしたが、
私の話を聞いていくうちに、少しずつ理解してくれるようになりました。
それから、私は彼女に事情を説明しました。
自分が異世界から来た人間であること、何故ここに来たのか、
これから何をしようとしているのかなどなど、全てを話し終えた後、彼女は涙を流していました。
きっと嬉しかったのでしょう。
今まで誰にも頼れなかった彼女が、初めて私という存在に出会い、心を開くことができたのですから、当然の反応だと思います。
それからというものの、私たちは毎日のように会うようになり、お互いのことを語り合いました。
その中で分かったことがありました。
それは、彼女の生い立ちについてです。
彼女は元々裕福な家庭に生まれたのですが、両親から虐待を受けていたようでした。
さらには学園でもいじめにあっていたらしく、精神的にもかなり追い詰められていたようです。
そんな時に現れたのが、あの男でした。
彼は彼女に対して優しく接し始めましたが、それは上辺だけでしかなかったのです。
次第に本性を表し始めた彼は、彼女を自分のものにしようと企んでいました。
しかしそれを見かねた他の生徒たちによって妨害されてしまい失敗に終わりました。
その後も何度かアプローチをかけてきましたが、結局最後まで結ばれることはありませんでした。
それでもなお諦めきれない彼女は、その後もずっと彼のことを想い続けていたのです。
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