人間界に魔界の悪魔がいたっていいじゃないか!
りんご
人間界に魔界の悪魔がいたっていいじゃないか!
「ここが…人間界か」
彼女の名前はヴァエル。
頭には猫耳、後ろには尻尾。
青い服とマントを身に着けた彼女は…
悪魔であった。
そう。魔界から来た、悪魔だ。
が、外見はコスプレした今どきの女子だ。
年齢も20。
「なかなか悪くないなぁ。まぁ、魔界にはかなわないかっ!」
「魔界?!今魔界って聞こえたぞ!」
「魔界は本当に存在するのか?!」
「悪魔がいるぞー!悪魔だー!」
(…?魔界と声に出してはならぬのか…よし。用心しよう。)
人間界に入って5秒、ヴァエルは人間界の厳しさを知りました。
「それはともかく、授業で習った事を応用して、人間界を楽しもうではないか!」
ヴァエルは本を開く。
それは…
《人間界 入門》
と書かれている。
それをジーッッっと見つめている。
「よし!カイモノ?に行こう!」
カイモノとは、いわゆる買い物だ。
だがヴァリエの場合…
「きっとカイモノのカイは怪物のカイで、モノは物語のモノだろう!」
悪魔のカン違いNo.1、カイモノ。
はいこれテストに出ます。(出ません)
「ムムム、怪物がいない…なっ!意味がここに書いてあるではないか!えーっと、」
《買い物とは》
スーパーマーケットに行き、必要なものを買う事。
「怪物物語ではなかった!ムムム、人間界、難しい…」
「いらっしゃい!タピオカミルクティーだよ!」
「何だそれ!一つ貰った!」
「はい、550円」
「ムムム?早く渡すのだ。ホラ早く」
「いや…お金…」
「あぁ。カネか。ほれ。これでいいか?」
「え?あぁ、一万円札…小銭は無いのか…」
「早くしろ」
「ひぃ!すみません!えーっとお釣りが…はい!どうぞ!」
「よっしゃぁ!あざす!」
ヴァエルはルンルンにタピオカを飲みながら歩いている。
父からもらったおこずかい(1万円5枚)はすぐにパーになってしまった。
財布を逆さまにしても何も出てこない。
「よし!野宿しよう!」
悪魔のカン違いNo.2、野宿が普通。
朝……
「ふぅ。睡眠もできたことだ。だがカネがない。お!いいこと思いついたぞ!」
ヴァエルは近くの人に声をかけまくる。
「家に入れてくれ」
「家に入れるんだ我を」
「人間界には家があるのだろう?そこに入れてくれ」
「お願いだ!」
結果、全員拒否。
「どういうことだ…」
ヴァエル、人間界の酷さを知る。
「人間界ってヒドイです!もう嫌ですぅ!」
ヴァエル、泣く泣く1週間ほど野宿をするのであった。
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