第3話 イケメンだらけのアジト
ジェイミに抱かれてリビングっぽいところに入ると、そこに待っていたのは……
それぞれ種族の違う5人のイケメンだった。
「ほぉ、その猫が……確かに魔力があるな……」
そう言ったのは耳が尖って銀の長髪のイケメン。
もう私分かるよ。この人絶対エルフ族だ。めっちゃ頭良くて魔法バンバン使えるやつだ。
「面白ぇじゃねぇか! 丸焼きにして食うか?」
そんな物騒なセリフを吐いてニッと笑ったのは、背中に鳥の翼の生えた茶髪のオールバックのイケメン。
すごい怖いこと言われた気がするけど、違う意味で食べられるなら全然……。
「ジャン怖い……嫌い……」
そうなよなよっと言ったのは、耳が魚のヒレのようになっているイケメン。
見た目は金髪でイケてるのに草食系男子だ。魚っぽいけど。
「可愛いな……俺、ネコ好きだ」
そう言って優しく微笑んだのは、青髪に角が2本生えたイケメン。
鬼みたいな見た目だけど優しそう。私もあなた、好きです。
そして最後に、私を森で助けてくれたレオン氏。彼は普通の人っぽい見た目。
「なら俺、世話の仕方とか知らねぇから、ルシオお前面倒みろ」
レオン氏はダルそうにソファで足を組みながら鬼のイケメンへ向かってそう言った。
するとジェイミが反論する。
「え~、みんなで育てようよぉ。僕も可愛がりたい~」
彼はそう言って私の
私もあなたにもっと可愛がられたいです。
⸺⸺
ジェイミも合わせて6人のイケメン全員がソファでくつろぎ、ジェイミの膝でのほほんとする私。
何これホント夢みたいなんだけど。
だけど触れる感覚はやけに生々しく、夢ではないのだとはっきり分かる。
今頃日本では私どういう扱いになってるんだろう。死んだことになってるのかな。それとも行方不明?
いや、もうそんなことどうでもいいか……。と、思えるくらいに幸せな時間が流れている。
すると、ふとジェイミが口を開く。
「この子の名前決めない?」
あの私さくらって言うんですけど……。
「お、いいな、それ。みんな1つずつ案言ってこーぜ?」
鳥のイケメン、ジャン君がそう答える。さっきまで食べようとしてたのにノリノリだ。
「じゃ、まず僕からね……うーん……」
ジェイミは私を抱き上げて悩んでいる。せめて可愛い名前をつけておくれよ。
「……ねこのすけ」
……ダメだジェイミは可愛いけどネーミングセンスなかった……。
っていうか女ですけど私。
「ねこって入れてる時点でダメじゃね?」
と、ジャン。確かに……。
「なんだよぉ、じゃぁ次ジャンね」
ジェイミはそう言って私をジャンに渡す。
「おうよ、任せとけ! そうだなぁ……」
今度はジャンに抱き上げられる。
こうやって色んなイケメンに順番に抱かれていくのね、私。
「もふ子」
はい、ダメー!
まぁでも性別合ってただけ良しとしますか。
「何でメスみたいに“子”なんてつけるのさ?」
と、ジェイミ。
逆に聞くけどなんで君はオスみたいな名前つけたのよ。
「はぁ? んなのメスだからに決まってんだろ」
と、ジャン。何よ分かってるじゃない。
「え、そんなことなんで分かるの?」
「あぁ? んなの簡単だろ、ほれ」
ジェイミの問に対しジャンは私のお股を全開にして頭の上に持ち上げ、みんなに見せびらかす。
ちょ、やめて。真っ裸で股広げられてイケメンみんなに凝視されてるー!
もしこれが人間だったら……いやぁぁぁぁ、恥ずかしすぎて死ねる。
「タマ、ついてねーだろ?」
と、ジャン。恥ずかしいから早く降ろしてください。
「あ、ホントだ。女の子だ~」
ジェイミはそう言ってヘラヘラ笑っている。
「ほぅ、猫はタマがついているかいないかで判断するのだな」
エルフのイケメン君は興味深そうに私のお股をジロジロ見ている。やだもう恥ずかしいってば。
それから順番にイケメンに抱かれ、股を至近距離で凝視されていく私。
しかも“シュヴァルツ”だとか“エカチェリーナ5世”だとかみんなにセンスのなさすぎる名前を付けられて、私の羞恥心はズタボロよ。
5人に回されて、最後レオン氏の膝で落ち着く私。
これでようやく解放されると思った矢先、最後にとんでもない羞恥が私を待っていた。
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