詠唱

月を守護する女神よ、我に浄化の力を……。

……なぜそんな哀れみの目を向けるのかしら?

今のは魔を浄化するための詠唱よ、それがどうかしたかしら?

あら、あなたには先程そこにいた闇の眷族も見えなかったのね。

なぜ月の女神なのか?

それはもちろん、月から私の力を借りているからよ。

月が夜なぜ輝いているか、知ってる?

もちろんそれは人々を魔の手から守るためよ。

月が輝かなければ、人々は闇に飲まれてしまう。

だからそうならないために、夜は浄化の光を降らすのよ。

……はあ、そんなことも知らないなんてね。

いや、バカにして悪かったわ。

そもそも私が選ばれし者人間だから、あなたのほうが一般的なのよね。

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