虚の魔神について
★ネタバレ対象作品★
「異世界職業図鑑」
■質問
虚の魔神が大龍脈の守護者になったのは、ビフロストが創設されてからですか?
虚の魔神の強さは大龍脈防衛以外だと発揮されないということは、他の場所では弱体化するのでしょうか?
虚の魔神は平和な時、普段何してるのか気になります。
■回答
回答がやや長くなったので、トピックごとに回答していきます。
■<虚の魔神>は防衛機構だった
虚の魔神はビフロスト誕生前から大龍脈の守護者でした。
正確には「大龍脈防衛機構」として源の魔神が設置しました。プレーローマ領だった大龍脈を守っていました。
しかし、ある日暴走して大龍脈にいたプレーローマ軍を襲い始めました。大龍脈にいた天使達は大慌てで逃げて行きました。
源の魔神はブチギレ。自ら軍を率いて大龍脈に向かいました。が、大龍脈防衛機構こと<虚の魔神>を殺し切れず、止むなく撤退しました。
■プレーローマの奴隷達がビフロスト設立
天使達が大龍脈から逃げて行った事で、プレーローマの奴隷として大龍脈にいた人々は大龍脈に取り残されることになりました。
彼らは虚の魔神が源の魔神相手でも大龍脈を守り切ったことで調子づき、中立組織<ビフロスト>を設立。プレーローマから独立しました。
当然、源の魔神はブチギレ。あの手この手でビフロストを滅ぼそうとしました。ビフロストに多数の被害者が出ましたが、虚の魔神が大龍脈を守り切り、源の魔神がとある人々に殺害された事で組織は存続しました。
現在でもプレーローマ陣営と人類陣営に挟まれて苦しむ事もあるのですが、外敵は虚の魔神がバッタバッタと薙ぎ倒してくれるので何とか存続し続けています。
■<虚の魔神>はどこでも強い
虚の魔神はどこでも強いのですが、大龍脈に設置されてからずっと愚直に大龍脈を守り続けており、大龍脈以外で戦闘する事が基本的にありません。
ビフロストの中には「虚王様最高! 虚王様最高!」と言いつつ、「大龍脈以外でも戦ってくれればビフロストの立場がもっと良くなるのになぁ~」と思っている人々もいます。
虚の魔神が大龍脈の防衛しかやらない事を利用して、大龍脈以外も「ここは大龍脈っスよ!! 虚王様戦ってきてー!」と誤認させる研究とか密かにやってます。
その研究が成功するかどうかはともかく、ビフロストも結構微妙な立場なので生き残りに必死です。
■平和な時の<虚の魔神>
大龍脈防衛の一環でビフロスト構成員を殺しています。正確には「大龍脈の法を乱した輩をどこの所属だろうが構わず殺害している」です。
虚の魔神はビフロストを存続させるために戦っているのではなく、昔からずっと「大龍脈の防衛任務」を続けています。制御不能で暴走中の現在でも、それを愚直に続けています。
基本的に誰かに指定された相手を攻撃するのではなく、大龍脈の法を乱した相手はビフロスト構成員だろうが容赦なく殺します。例えば大龍脈内で煙草ポイ捨てしただけでブッ殺されます。
ビフロスト構成員は法を犯さないように頑張って暮らしています。でも、いつギロチンの刃が落ちてくるかわからないような日々は怖いので、大龍脈から出て行く構成員もいます。「大龍脈の外って危険だわ」「多次元世界の治安はクソ!!」と言って戻ってくる人も大勢います。
彼らにとって虚の魔神は祟り神のようなものです。自分達――というか大龍脈を守る有り難い存在ですが、対応ミスるとブッ殺される恐ろしい存在です。虚の魔神が怖すぎて精神的に病むビフロスト構成員もいます。
一応、悪さしたら一発アウトではなく、基本的にスリーアウト制です。3回悪い事したら速攻で虚の魔神が飛んできます。
例えば大龍脈内で1人殺しても、それが1度目の違反なら虚の魔神もやってきません。さすがにビフロストの法では裁かれますが。
1アウトで虚の魔神の眼が注がれ、2アウトで喉元に刃を突きつけられ、3アウトで首が飛ぶと思ってください。命が惜しければ2アウトの段階で大龍脈から出ていきましょう。大龍脈の外のことは虚の魔神も目くじら立てません。
雪の眼の史書官の中には「2アウトなので、3アウトにならないために史書官として大龍脈外で働いてます」って人もそこそこいます。自称美少女史書官のラプラスちゃんは大龍脈内でも好き勝手やってますが。
■補記:システムを利用した殺人
前述の通り、虚の魔神はビフロスト構成員の完全な味方ではありません。大龍脈を守っている融通の利かない防衛システムだと思ってください。
融通が利かないことを利用し、殺したい相手にあえて法を犯させ、虚の魔神に殺してしまうという犯行手口も存在します。
大龍脈の法は自分でよく把握しておきましょう。愚直に誰かの言いなりになってしまった場合、愚直なギロチンが飛んでくることを覚悟するべきです。
■補記:留学のすすめ
大龍脈は法さえ守れば安全な場所ですが、子育てには向かない場所です。
そのためビフロスト構成員の子供は大龍脈外で育てられる事も珍しくありません。虚の魔神に触法少年の概念はない。
滞在先としてよく使われているのは人類連盟常任理事国やプレーローマです。現地の有力者が結構手厚く保護してくれます。ガキのうちに自陣営寄りの教育して、大龍脈に帰した後も便宜を図らせるための先行投資ってやつですね。
どこで生まれ育ったかはビフロスト内部の派閥にも反映されがち。外部勢力の手駒として動く子達も少なくないため、ビフロスト上層部では子供の留学先に頭を悩ませています。
数年ごとに留学先を変え、色んな場所で学ぶのが主流になりつつあります。大人達がアレコレと頭を悩ましてもなお、偏った考えの子供が育ったりしてるんですけどね。
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