いずれ死ぬ小さな世界に花束を

夜瀬凪

夜明け前

朝の月と白骨が重なってしまうような

恰好付けたがりの感傷的な朝に

べとついたキャラメルを口に放り込む

何事もなかったように笑う器用さを持たず生まれたんだ


シャツにこびりついた染みを洗うこともできず

小石を蹴り飛ばす

きらめきだけをかかえて生きていけたらいいのに

朝焼けは何もかも燃やしつくす力を持たないから

望んでも望まなくても夜は明ける

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