4月29日 雨天

 零時起床、眠気もなく、快適な目覚めだった。

 スライムの討伐を後に回して目の前の壁に現れた穴を見つめる。


 一昨日短剣を入手した小部屋の入口にそっくりなので、少し期待できる。


 服を着替えてお守り代わりに探検を持つ。そのまま穴へ突入。


 残念ながら宝箱はない。今回は不発のようだ。

 前回は出て直ぐに消えてしまったので今回はもう少し粘ってみる。


 二畳もない小さな部屋を1時間かけて探索する。

 特に変なところはなかったが、壁に不規則な線のような模様が入っていることに今更ながら気がついた。

 恐らく一層や二層の壁にもあるのだろうから、確かめてみる。


 調査を始めて二時間。そろそろやめて出ようかと言うところでスライムが湧いた。

 毎日倒しているとはいえ実際に湧くところを見ることはほとんどない。

 今更スライム程度珍しくも無いが、それでも湧く瞬間というのは面白かった。


 完全に現れたところでサクッと討伐。

せっかく短剣を持っているのだから練習がてら使ってみる。


 スライムが消えた後には魔石が落ちていた。

 今日は運がいい。


 念の為、討伐後にも一時間ほど小部屋に残ったが、新しく湧く気配はなかった。

 そのまま部屋を出る。


 仕組みが違うのか、以前と同じように穴が消えるということは無かった。


 そのまま二層、一層のスライムも倒して時刻の確認。零時四十五分を指す時計が目に入る。

 小部屋には計四時間ほどいたので、だいたい八倍のスピードだろうか。

 部屋の広さ的に違うと思っていたのだが、あれが三層なのかもしれない。


 検証として一度目はバッタを入れないことにしているので、次の確認時に消えていて明日の朝復活していたら仮三層としようと決める。


 調査に疲れたので二層で寝る。


 三時起床。かなり強く雨が降っているのでランニングは断念。

 魔術教本を読む。


 ちょうど五時頃に読み終わったので、今日は魔術書を読む事にする。


 特に予定がないのは嬉しい。


 朝御飯を食べ、二層へ。魔術書を開く。


 教本に、『魔術書は魔力を通して所有者を定めると使用出来る』と書かれていたので魔力を流してみる。


 とは言っても魔力など適正を調べる時に使ったくらいであとはランタンの起動時に使う程度だ。

 一瞬迷ったが、取り敢えず表紙に手を当てて平から魔力を流してみる。


 と、魔術書が淡く光ったので、これが所有者を定めたという事なのだと勝手に納得する。


 魔力を流さず数日放置すると使用できなくなるそうなので、これから毎日魔力を流すようにしたい。


 このまま一日中魔術書を試す。


 一日の成果としては指先から火花を出せるようになった事くらいだろうか。

 ダンジョンの二層に一日籠って練習した割にライターの火ほども出せなかったので、やはり自分には適性がないのだろう。


 当面の目標は火魔術の最低級、指先に火を灯す事だ。

 この調子だと数ヶ月かかってもおかしくないが、地道に練習していきたい。


 昼御飯を食べなかったので夜はしっかりと食べる。


 風呂を済ませてダンジョンへ。

 スライムを倒して小部屋を確認。なんとその場から消えていなかった。


 今日は頭を使って疲れたので寝ることにする。

 明日から三日間学校なので疲れを取りたい。


 今日はここまで。

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