交差点の誘惑〜お雪の敷布団

みっちゃん87

プロローグ

深夜、街灯だけが静かに照らす交差点。人気のないこの場所には、通り過ぎる者の足音すらも遠く、時間が止まったかのような静寂が支配していた。だが今夜、その沈黙を破るように、ひとつの異変がこの交差点に静かに現れた。一枚の布団が、まるで誰かを待つかのように、そこに敷かれていた。


布団から顔を出すのは、月明かりに照らされた美しい女性の姿。彼女は「お雪」と名乗り、通りかかる者に向けて、優しくも切ない声でささやく。「一緒に寝ませんか?」その言葉には、どこか抗いがたい誘惑と、深い悲しみが込められていた。


この夜から、主人公は想像もしていなかった物語へと足を踏み入れることになる。お雪との出会いは、ただの偶然ではなく、彼女がこの交差点に現れた深い理由と、彼女と共に過ごすことでしか見えてこない真実へと繋がっていくのだった。


「交差点の誘惑〜お雪の敷布団」は、こうして始まる。一つの謎が解き明かされるたび、新たな謎が生まれ、主人公はお雪との不思議で哀しい物語を紐解いていく。そして、その先にある真実とは―永遠の眠りへの招待状だった。

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