ちぐはぐ

 祖母が言うには家に座敷童が住み着いているらしく、子どもの喜びそうなおもちゃだのお菓子だのを仏間に揃えているのだけれど、俺が見たのはどう見ても大柄な男だったし顔面から血のようなものを流しながら縁側を這いずり回っていたのでそんな供え物など意味もないだろと思っていたのだが、時たまそれらが減っているというので案外趣味嗜好は予測できないものだなと仏間で色とりどりの菓子を物色するそいつを見て思う。

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