短夜奇譚

罪業に対する罰の相当性

　赤ん坊の泣き声が聞こえてくることに気づいたがここは大学の寮だし、こんなに大きく聞こえるほど近くに民家もないので迷い込んだ猫が喧嘩でもしているのだろうと納得しようとしたのだが、しばらくしていつもよくしてくれている上の階に住んでいる先輩が駆け込んできて赤ん坊が出たとかを半泣きで言い出すし前に捨てた女がいただとかそいつを孕ませただの懺悔し始めたし、泣き声が俺の後ろから聞こえてくるので先輩を部屋に上げたことを後悔している。