第5話 横丁の日/『のんべえ女狐』

切れ長な目の女は横丁の入り口で誘うように見つめてきた。試しに声をかけると大衆居酒屋についてきた。

世知辛い世の中で飲み屋でも煙草をのめない。外で一服する間に女の姿は消えていた。出入り口は一つで鉢合わせないはずがない。

落ちてる葉っぱを化かしのソレと酔ってしまった方が、今宵が楽しい。




◆4月5日は「横丁の日」/2024年4月5日作

#140字小説 『のんべえ女狐』

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