私が遊んだスーパーファミコンソフト

矢木羽研(やきうけん)

スーパーマリオワールド(任天堂・1990年)

 プレイ時期:1990年ごろ

 ソフト入手:中古で購入?

 クリア状況:全ステージクリア

 おすすめ度:★★★★


 *


 このゲームを初めて遊んだときの思い出なのだが、セーブデータを選ぶときにAボタンを連打して、友達のデータを消してしまって怒られた。ファミコンにおけるAボタンとBボタンの役割が、(少なくとも任天堂のソフトでは)BボタンとYボタンに置き換わったことにはなかなか慣れず、最初はスピンジャンプ(Aボタン)ばかりしていた気がする。


 友人宅でプレイしたり、あるいは友人が家に持ち込んだりしてプレイする機会は非常に多かったのだが、我が家の所有物として購入したのはいつのことか覚えていない。あるいは、いま手元にあるものは結果的とは言え借りパクしたやつなのかも知れない。それくらい、どこにでもありふれていたソフトであった。


 CMでは大阪万博の歌(だと知ったのはだいぶ後の話だが)に乗せて、マリオが歌って踊っていた。そういえば当初は「スーパーマリオ4」と呼ばれていた(よく見るとサブタイトルにも書いてある)ので、みんな「マリオ4」と呼んでいて、誰も「マリオワールド」なんて言わなかった気がする。


 本題のゲームレビューに入るが、さすが看板タイトルのローンチだけあって気合が入っている。色使いも鮮やかでスクロールも滑らか、アクションも気持ちいい。音源の使い方(SFC黎明期の他社ソフトは本当に酷いのが多かった)からセンス(例えばヨッシーに乗るとパーカッションが追加されるのが最高!)も抜群。


 セーブ機能が付いたのは単純に嬉しく、それでいてスターロードのワープを使えば一気に最終面に行ける(個人的には、ワープゾーンとしての使い道は最終面直行しかなくなったのが寂しかったが)という従来のシリーズから備わっている早解きルートを潰さないでいてくれたのは非常に寛大だと思う。


 空を飛ぶマリオマントの操作方法が前作のしっぽマリオから大幅に変更されたので最初は戸惑ったのだが、実は滑空はボーナスエリア以外では使わなくてもどうにかなるように作られている。従来式の飛行は青ヨッシー(ヨッシー+青甲羅)で可能になっており、いずれも自重しなければかなりのステージが楽勝になる。前述のワープもそうだが、こういう抜け道を敢えて豊富に用意するのは、作り手の心境としてはなかなかできないことだと思うので改めて評価したい。


 セーブできるのは進行状況だけで残機はリセットされるが、本作ではあちこちに稼ぎ場があるのが特徴。クリア後のステージの再プレイも可能なので、まずはどこかで残機を稼いでから先に進むのが鉄則。みんなそれぞれお気に入りのポイントがあった。私は迷いの森でハナチャンを含む敵キャラを踏み続けるのが好きである(異常な得点が入ったりするやつ)。


 スペシャルワールドまでクリアした後は、マントや青ヨッシーを極力使わないプレイに挑戦してみたり、あるいは逆にヨッシーを可能な限り乗り回してみたりと、いろんな形でたっぷり遊んだ。セーブ機能とクリア後ステージの再挑戦のおかげである。


 今やっても間違いなく楽しめるだろうが、実機以外でもプレイする手段は豊富なので、敢えて選ぶべきかどうかは微妙かも知れない。GBA版(マリオアドバンス2)のほうが、城や砦の再挑戦やドラゴンコイン収集といった要素が加わっておすすめできるかも。

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