第16話 リプア王国・司令官K
パトリが「誰?」明らかに演技である。
肝がすわっている。
兵士達は「司令官K様です。」
パトリは「あなた達に、大事な商品をタダで食べさせてあげたのよ。食べたらさっさとでていってって言ったわよね。
なのに司令官ですって!」
キャロル、僕、イケ3人は、パトリの背中に隠れて応援する。
司令官らしき男は、痩せているが威圧感が他の兵士達と明らかに違う。
何だこの見えない圧迫感は。
パトリはひるまない。
「宇宙商人協定に違反よ。商人は自由に星を移動することができるの。妨害するなら全宇宙商人ギルド協会に報告するわよ。ほら、」とパトリは商人ギルドカードを見せつけた。
男は「これはこれは、本物のギルドカードだ。通報されては、まずいな。ははは。」
声が若い。たぶん僕らと同じぐらいだろう。それに悔しいが、余裕があるようだ。何んだこいつは?
「私はリプア王国の司令官Kだ。この空間で、高い数値の魔法値を感知した。
しかし、勘違いのようだ。ベルガル王国の騎士団はいないようだ。旅商人だったとは失礼した。それに全宇宙商人ギルド協会を敵に回したくないな。
それに僕が今ここに来たのは君の商品だ。
兵士から僕が探していた美味しい干し芋があると報告が。金は払う。仕入れはベルガルか?」
「そうよ。」
美味しいとの褒め言葉がパトリに響いた。
「いいわよ。あなたの国には干し芋ないの?」
司令官Kは少し間をおいて「そうだな。リプア王国にはない。ただ、昔食べたことがあった。」
「あなた、よっぽど気に入ったのね。昔食べて忘れないって。ちょっと待ってて、すぐ焼いてあげるよ。」
僕はイケに「あれって僕らの世界にある
干し芋だよね。同じだ。なんでこの世界にあるんだ。」
「わからない。でもあれ、母さん好きなんだよ。」
「家もだ。」
キャロルが「あの干し芋は、ずっと昔に異世界人が持ち込んだって聞いてるわよ。
それ以来、ベルガル王国独占で栽培されているとか。」
その異世界人は、きっと僕らと同じ地球人に違いないと思った。
「はい。できたわよ。」司令官Kに渡す。
「うまい。懐かしい味だ。旅の商人、名前は?」
「私はパトリ。」
「パトリありがとう。こんなところで故郷の味に会えるとは。すまなかった。騒がせた。
どこへ向かっているんだ。」
「ガヤ王国よ。この商品を売りつけに。」
「そうか。邪魔したな。」司令官Kはお金をおき、兵士らと時空へ消えた。
イケ「司令官Kは絶対地球人だよな。それも僕らと同じ故郷だ。」
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