第26話リレーの選手と2回目の文化祭

 2学期が始まると運動会の練習が始まるが、各クラスの紅白に別れてのリレーの選手を選ぶ予選が行われた。そして私はタイムで上位3人となり、リレーの選手として、運動会の花形競技に参加することになった。私としては、リレーの選手に選ばれたのは初めてであり、素直に嬉しかった。牧野先生からも

「リンダ君頑張りぃや」

という応援ももらって喜んでくれた。そして10月に入って迎えた運動会本番。まずはグラウンドを1周する徒競走。各クラスでの練習の時に組み合わせ抽選が行われ、その組み合わせで順位を競うのである。そして私は読線の時と同じく、1着でゴールテープを切った。この年以降、6年生まで徒競走で1着でゴールテープを切ることになる。

 競技を順調に消化して、運動会最後の競技であるリレーの選手による決戦。それぞれ各クラスから選ばれた足の速い子が出場するわけで、私は第一走者としてピストルが鳴るのを待っていた。そしてピストルが鳴ったのと同時に勢いよくスタートダッシュ。私は1位で第二走者にバトンをつないだ。最後、アンカーがゴールした時は2位であったが、私としては、やるべきことはすべてやったので達成感があった。そのほかいろんな競技やダンスに参加して、いろいろと頑張った1日が終わって、心地よい疲れからか、家に帰って夕食と入浴を済ませるとすぐに眠りに落ちていった。

 

 運動会が終わると次は文化祭。まずはどんなことをするのか各クラスで話し合って、寸劇をすることに。脚本から演出まで、すべての子供たちがプロデュースするので、大本は昔話がベースになっているが、セリフなどはすべてオリジナルであった。

そしてストーリーが決まって、次はセリフ決め。それが終わると今度はだれがどの役を演じるのかを決めていって、クラス全員の配役が決まり、配役が決まると次はセリフを覚える作業に移る。はじめはカンペを見ながらの練習であったが、何回も練習しているとカンペなしでせりふが言えるようになり、スムーズに演じられるようになっていった。

 そして文化祭本番を迎え、各クラスで披露される演劇を楽しんでいた。文化祭では各クラスが順番にステージに上がって発表するのであるが、見ている間は身長が低い順番に前から座っていくので、身長の高い私はいつも最後列であった。なので、私から見えるのは半分以上が前列のクラスメイトの頭といった感じであった。背が高いというのも、損なときがあるということである。

 各クラスでの発表が終わると、投票によりどのクラスの発表が素晴らしかったかを決めて、最優秀賞として表彰されるのである。ちなみに惜しくも私たちのクラスは2位であった。

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