第21話体力測定
4年生に進級して、担任の先生は牧野先生という、これまた女性の先生であった。20代後半のスポーツ万能タイプの活動的な先生で、休憩時間ともなると、子供たちと一緒にドッジボールをしたり、バスケやバレーをしたりという先生で、子供たちにも人気の高い先生であった。牧野先生によると、私は
「性格はおとなしいが、筋の通らない話が大嫌い。学習面では社会科と理科が得意で、わからないことがあれば、自分で調べて答えを見つけようとする努力家」
ということが当時の私の通知表には書かれてあった。確かに私は理屈の通らない話は大嫌いであった。今思えば、私の性格はこのころには完成していたのかもしれない。そしてもう一つスポーツ面でのこのころの特徴が、中距離走に強かったということである。4年生になったあたりから、蓄膿症の治療の成果が少しずつ出始めて、鼻が詰まって息苦しくなるといったことが減ったことも関係して、3年生までのころに比べると体力測定の記録も大きく伸びていた。毎年1学期に行われる体力測定では、短距離走では大阪府の平均、中距離層は学年でもトップクラスであった。運動場を1週から2周するほどの距離なら、学年でもトップ5に入る速さであった。反復横跳びでも、平均より4~5回多くこなしていたし、ドッジボールでも、どんなピンチになっても、するりとぎりぎりのところでボールをするりと交わして、相手がミスするなどのパターンが多かった。
休憩時間になってドッジボールをしていても、私は最後の方までコート内に残っていることが多く、相手は本気になって私にボールを当てに来ていた、それでも私はボールをかわすか、キャッチして反撃に出るかのどちらかで、相手は
「くっそー。あいつには当たらへんわ」
と言って悔しがっていた。
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