第25話 戦いのあと
黒い沼の戦いが終わった数日後、ある人物が黒い沼を訪れていた。
その人物は、古めかしい黒いローブに身をまとっていた。そのローブはぼろ布のようでもあったが、
黒いフードを深くかぶり、その顔は影に覆われている。わずかにのぞいた
暗黒の人物は、湿った地面に残る亀裂の
ヴァンパイア・ロードは失敗した。死骸も持ち去られ、不死の者たちの軍勢も壊滅させられた。
それを確信すると、その人物は失望を短い吐息で示した。
「……しょせんは、“
深い井戸の奥底から響いてくるかのようなしわがれた声で、ひっそりとささやいた。
――だが、たいした問題ではない、失望には慣れている。
彼はそう思いなおすと、もうこの場所に興味を失っていた。
光が地平の果てに駆逐され、暗黒が世界を覆いつくす時代。そのはじまりは、まだもう少し先のようだ。時間はまだまだある、とはいえ有限である。次なる場所へ、向かわなければならない。
凍えるような孤独に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます