第10話:悪夢ちゃん。

「ふわぁぁぁ」


俺は起きて時計を確認した。


100:310…。寝ぼけていたのか、そのようにしか見えなかった。


俺は眼鏡をかけ、しっかりと時計を確認した。


10:31――まずい!遅刻だ!


俺は慌てて準備をし、家を出た!

やばい!このままじゃ遅刻する!

しかも今日は、


大学受験の日だーー!!



…という夢を見た。

ふと時計を見ると、まだ夜の2:00だった。


そして枕元には

――「悪夢ちゃん。」と書かれた、人形のような機械が置いてあった。


『これを枕元に置いて寝ると悪夢を見れます!最近刺激が足りない人におすすめですよ!』


そんな風に書かれたパッケージの『悪夢ちゃん。』は、さっきの説明の通り悪夢を見ることができるのだが…。


「レベル3じゃ足りないな。」


そう言って俺は悪夢ちゃん。のダイヤルを「5」にセットし、もう一回寝ることにした


――が、


眠れない。なぜだ、さっきは熟睡していたのに。


そして俺は寝ぼけていて感じなかった尿意を覚えた。


「トイレにでも行くか…。」


そしてトイレに向かった。


が、


「…?」


トイレのカギが締まっている。

誰か入っているのかな


―いや、そんなはずはない。


なぜなら僕は一人暮らしをしているからだ。


やがて鍵が開くと、そこには…


包 丁 を 持 っ た 女 が い た の だ っ た。





…という夢を見た。

ふと時計を見ると、まだ夜の2:00だった。


そして枕元には

――「悪夢ちゃん。」と書かれた、人形のような機械が置いてあった。


『これを枕元に置いて寝ると悪夢を見れます!最近刺激が足りない人におすすめですよ!』


そんな風に書かれたパッケージの『悪夢ちゃん。』は、さっきの説明の通り悪夢を見ることができるのだが…。


「まさか2回仕掛けとはな…」


俺は驚いた。レベル3でこれか。


俺は好奇心が沸いた。


…なら、レベル5はどうなるんだろうか。


覚悟はできている。


俺はダイヤルを回し


「ピーンポーン」


?玄関のチャイムだ。こんな時間に誰だろう。


「はーい」


俺はドアを開け


ぱぁぁぁん!


銃声が鳴り響く。俺はすぐさま倒れ掛かった。嘘だろ…。明日は大学受験だっていうのに…。




…という夢を見た。

ふと時計を見ると、まだ夜の2:00だった。


そして枕元には

――「悪夢ちゃん。」と書かれた、人形のような機械が置いてあった。


『これを枕元に置いて寝ると悪夢を見れます!最近刺激が足りない人におすすめですよ!』


そんな風に書かれたパッケージの『悪夢ちゃん。』は、さっきの説明の通り悪夢を見ることができるのだが…。


「れ、レベルを下げよう。」


そうして俺はダイヤルを回し


「!?」


非常チャイムだ!そして俺は大きく揺れた。

「まずい!」


うわあああああ!!




…という夢を見た。


さすがに多すぎないか?まだレベル3だぞ。

そして俺はまたダイヤルを回し


――今度は急に首が跳ねとんだ。



…という夢を見た。

…という夢を見た。

…という夢を見た。

…という夢を見た。

…という夢を見た。


「はぁ、はぁ、もういいから早く現実に戻してくれ!」


…という夢を見た。

…という夢を見た。

…という夢を見た。

…という夢を見た。

…という夢を見た。


「あああああああああああああああああ!!!」


俺は気づいた。本当の悪夢は「現実に戻れない」ということじゃないかと。


それに気づいた瞬間、『悪夢ちゃん。』はニヤリと笑った。


――時計は、まだ夜の2時を指していた。












…という夢を見た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る