広香は元気をくれます
ぽんずとれもん
第1話 登校
「おはよー、つむぎは元気?今日もハッピーだねぇ」
通学路の道中、声をかけてきたのは
毎日この調子で朝、一緒に学校へと向かう。私が広香と一番仲良くしている人物なわけだが、別に待ち合わせをしているわけではない。同じ時間に家を出るから、毎日会うのが習慣って感じ。
——ハッピー……相変わらず呑気な人だ。毎日同じように明るい笑顔とともにきいてくる。私も毎日同じように答える。
「眠たいなぁ……」
「でもハッピーでしょー?」
——眠いのにハッピーなわけないじゃん
「眠たいし、アンハッピーだよ。」
「じゃあ眠たいのをゼロにすればいいじゃんっ!眠たいのがノーマルならハッピーじゃんねっ!」
朝からなんでこんなにハキハキと話せるのかもわからない。広香の謎理論が始まった。広香はすぐなんでもゼロにしろという。
——そんなことできたらとっくにしてるよ
「今日の空気は私と仲良くしてくれそう。つむぎもそう思わない?」
——またまた、理解が追かない
私が理解する前に、広香はどんどん先へ進んでいってしまう。広香が好きな気候だと言いたいのだろうか、空気と仲良く?よくわからん。でも自然と広香と話していると、暗い朝が明るい朝に変化していくような気がする。
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