第5話~夏になった~

とある野良猫に赤ちゃんが5匹生まれた。

その中に尾っぽの短いキジトラ柄の子猫がいた。

ある日、キジトラ柄の子猫は迷子なってしまった。

「ママ(親猫)どこ?怖いよ。」

ビクビクしながら歩いていると、何だか懐かしい感じがする家があった。

その時、人が子猫のところへ近づいて来た。

わー!逃げなきゃ。

子猫ながら、素早く側にあった車の下に逃げ込む。

「ママ、ねえねえ、子猫が車の下に入っていったよ。」

「どれどれ、ん~ん?モンネ、ネンネ、下を見たけど逃げちゃったみたいね。さあ、お家に入ろう。」

その時、

キジトラ柄の子猫は車のボンネットの中のエンジンの隅に、ちょこんと座っていた。

あれ?あの人、何だかホンワカしてる。

また、何とかして会いたいな。

そうだ、ここに居座ろう。決~めた。

次の朝、子猫が目がさめたら家の玄関ドアが開いていた。

キジトラ柄の子猫は咄嗟に全速力で開いたドアに向かっていた。ハァハァハァー。サッサッサッ。

無我夢中で意味も分からずに走った。

ワァ入れた!初めての家なのに、何故か知っているお家のような気がする。

ネンネが「ママ、子猫が地下に逃げたよ。」と言い。

モンネは子猫を捕えに地下へバタバタと下りて行った。子猫との悪戦苦闘が始まるかと思いきやバトルはなく子猫は素直に捕まった。モンネは得意気に「捕まえた!」と言い、すぐに、ママへ子猫を渡した。ママは「まだ小さいのに、一人(一匹)なの、可愛いそうね。身体もガリガリにやせ細ってる。食事をあげてパパが帰って来るまで置いておきましょう。」と言い、子猫を優しく撫でた。子猫の回りには何だか懐かしい思い(オーラ)が包んでいた。

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