第3話 楽しい楽しい天界作にも限界が来る


早速、自分の星をイメージする。

すると目の前には、一周を歩いて7分弱であるけるほどの小さな星が浮かんでいた。

「まずは家を作らないとな」

そういって自分の家を作った。家といってもプレハブに椅子とテーブルを置いただけの簡素なものだ。

それもそのはず。中身はただの漫画好きの高校生だ。いきなり大層な家の間取り、内装、 家具、壁紙などをイメージできるような能力は持ち合わせていない。

    唯斗は早速自分が作った椅子に座ろうとした。

「そういえば俺って体無いじゃん。家よりも前にまずは体の方が先だったな。」

「どうせなら、高身長で~イケメンで~…」

すぐに作り始めた。

「すると、キモいとしか言いようがない変な体ができた。

色々と試して見たが結局は前世の自分の体と酷似したデザインに落ち着いた。

やはり自分自身の体が一番イメージしやすいようだ。

「まあいっか、これでいい」

そう言って、たった今作った体に乗り移る。

今、裸だな。服がないと言って、服を作る。

椅子ではなくソファのほうがいいなと思って、ソファを作る。

おいしいお寿司が食べたいと思って、中とろを食べる。

ここに花が欲しいと思い、テーブルの上に花を刺した花瓶を作った。

こうして自分の家の周りを充実させていった。

そうしていくうちに、自分の星には名星前がないことに気づく。

「やっぱり名前があった方がいいよな」

「そうだな、『唯斗星』とでも名づけようか」

こうして、自分の星に自分の名前をつけた。



創造主としての生活はまだまだ始まったばかりだ。

自分の周りの環境を整えた優斗は庭に手を出す。

バラを植えたり、紅茶を飲むためのパラソルをつくって、優雅な庭を作った。

滝の音が聞きたくて小さな滝を作ったり、その近くに庵も作った。


そんなことをしてもいつかは飽きる。もうすでに飽きかけてきている。


さあ、次は何をしようかと考えたとき、人間だった時にあって、今はないもの

考える。

「漫画がない。最新刊がない。」

でも、いくら創造神になったって、見たことが無い新刊の内容まではイメージすることができないし、作れない。

でもどうしても続きがきになる。

『どうにかならないものかなあ』

唯斗はしばらくの間考える。


そうだ、漫画の世界をそのまま作っちゃえばいいんだ!



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