第23話 砥石

研磨の祖父は鬼斬組一番の鍛冶師だった。

しかし、性格が難しくなかなか刀を打たないため研磨は祖父の事が嫌いだった。

祖父はよく昔話を話していた。その祖父が先日亡くなったのだ。祖父は鍛冶の仕事が大好きで亡くなるときまで刀の事を考えていた。そんな祖父が格好良く大好きだった。しかし、祖父はある日からめっきり刀を打たなくなった。理由を聞いても自分で答えを考えろと言った。結局答える前に亡くなってしまった。祖父の工房をどうしようかと考えていると友の刀士郎が訪ねてきた。その時友は「君はまるで砥石のような人だね。」と言われ、昔の記憶が蘇る祖父も同じような事を言っていた。「お前は何も人を守るための刀にならなくていい刀を守るための砥石になれ。」涙が溢れてくる。

祖父最初から教えてくれていたじゃないか。

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