第30話 王妃の準備



時は少し戻り

王妃は応対室から出てすぐ、自身の部屋に向かっていた


「(セイともうすぐ会えるわ)マイカ」


「はいセナ様」


「貴方はセイと暮らすための屋敷を買ってきなさい」


「分かりました、どのような屋敷がいいでしょうか?」


「そうね…セイの魔法は特別と聞きました、なら魔法の練習ができる庭がある場所がいいわね」


「セナ様、お待ち下さい」


「セバス様…」


「セナ様、私めの事はセバスでお願い致します」


「ですが」


「貴方様はハーデス王家の方です、そのような方に様をつけられては、私が冥王様に怒られてしまいます」


「…分かりました、ではセバスさんと」


「呼び捨てでよろしいのですが…今はそれで」


「セバスさんは何故こちらに」


「冥王様にセナ様の手伝いを命じられ、こちらに来ました」


「そうですか、よろしくお願いします」


「はい!ではセイ様は今、教会で一緒に育った者と、セイ様を保護したシスターとご一緒に王都に向かっています」


「では3人で?」


「はい、そのため屋敷は大きめがよろしいかと」


「そうですね、その方達も一緒に住んだほうが」


「そしてセイ様の魔法を考えるなら周りに余り人が居ないほうが」


「なら王都の外れにある土地を買いましょう」


「それでよろしいかと」


「ではマイカそのように手配をお願いするわ」


「わかりました、では屋敷を建てる者達も準備しておきます」


「えぇよろしくね」


マイカが土地を買いに行き、セナは部屋についた


「(セイと暮らすために必要なものは…)サーシャ」


「はいセナ様」


「今から言う物を鞄に」


「はい」


「まずドレス10着、下着10着、寝間着5着、化粧品、洗剤、後は宝石類は全部持っていきましょう」


「わかりました、すぐ準備します」


サーシャは言われた物の準備を始めた


「(他にいる物は…)あっ!」


「どうなさいましたかセナ様」


「マイカにお金を持たせてません」


「ではシスイに持って行かせますシスイ!」


「なんですかセバス」


「マイカ殿にお金を渡して来なさい」


「ちっ命令するな」


「シスイさんよろしくお願いします」


「はっ!すぐ配下に行かせます」


シスイは配下にお金を渡し、マイカの下に行かせた


「では私は冥王様に呼ばれているので」


「ありがとうございます」


「いえセナ様の命令とあれば何時でもお呼びください」


そうしてシスイは冥王の下に向った


セナ様はすることが無くなり、セバスにセイの事を聞き始めた


「セバスさん」


「何でしょうセナ様」


「セイは無事王都に来れますか?」


「大丈夫です、冥王様の配下の中でも選りすぐりの精鋭が影から護っております」


「そうなのですか?」


「はい、盗賊や魔物に襲われないよう、セイ様が通る前に排除しております」


「なら安心ですね」


「ですがセイ様の強さなら、ご自身でどうにかできたでしょう」


「冥王様も言っていましたが、そこまで強いのですか?」


「セイ様の魔法は存じて無いのですが、ハーデス家の遺伝ならば、確実に強者でしょう」


「ハーデス家の遺伝…」


「ハーデス家は代々、特殊系の魔法を使い強者を生み出していました」


「ですが私は魔法が使えません」


「いえ、セナ様はイメージが見つかってないだけです」


「何故そう言えるのですか?」


「ハーデス家の血を引く方は、必ず魔法を使える素質があるからです」


「ですが父は、魔法を使えたものはいないと」


「それは特殊系だからです、特殊系はイメージを見つけるのがかなり難しく、自身が特殊系だと認識してなければ、ほぼイメージを見つけることができません」


「なら私はイメージを見つければ、魔法が使えると」


「そうです、ハーデス家の中には40歳で魔法を覚えたものもいます」


「ふふ、なら頑張らないといけませんね」


「えぇ、セナ様なら必ずイメージを見つけれるでしょう」


セナとセバスは、マイカとサーシャが戻るまで雑談を交した





追伸

やっと冥王とセナの話が終わったー

次からはセイの話に戻ります!


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