知らぬ間にヤンデレ王子の手中

第2話 ルーカスの屋敷

馬車で2時間ほどかけて、ついにルーカスの屋敷に着いた。

やっぱり広いなぁと壁に飾られている豪華な装飾を見渡しながらルーカスについていく。

「ここが俺の部屋、その横がユリアの部屋ね。何かあったらいつでも来ていいから」　

と言ってドアを開け、私の部屋を見せてくれた。

（ん？まてよ、横の部屋って、普通妻か、婚前の婚約者かが使う部屋では？）

と違和感を抱きながらも部屋を見渡していると

　わぁ！！！！素敵！！！！

　とてつもなく私好みである。可愛すぎる。しかもこのソファーの生地も布団の生地もあらゆる家具のカバーの生地も私の大好きなブティックの生地で作られていた。

「ねぇ、これって」っと興奮しながらルーカスを見ると

「好きだったよね？アンナエトワールの服とか、生地とか」

「そうなの！！本当に素敵、幸せ。色々ありがとうね。この恩はいつか返させてね、、、いつになるかわかんないけどまたちゃんと働くから」

少し間が空いてチラッとルーカスの顔を見たとき、一瞬悪い顔をしていたのは気のせいだよね....

「そんなのはいいよ、俺が守りたいだけだからさ、ずっと守らせてよ」

少しこの腹黒王子にドキッとしてしまった。いけない、と思い自分に言い聞かせる。

私は平民、ルーカスは王子。どれだけ優しくしてくれても、タメ口で話してても、ちゃんと自分の身分を自覚して接するの。と自己暗示をかける。

　そして私はその言葉を鵜呑みにしてはいけないと思いつつも、嬉しくなって、何も言えなくなったのでとりあえずにこりと笑っておいた。

そうするとルーカスが

「あ、そうだ。今日の夕食一緒に食べよう。何があったか詳しく聞かせて。18時に迎えに行くよ」

「わかった。待ってるね」

といってルーカスは自室へ戻っていった。

　私は家から持ってきた物を新しい部屋に移し替えていった。