第36話 配信 ~次元のはざま~
「どういうことだ?」
ボクは次元竜と、それに対峙するボクの化身とアナトとその横に表示されるテロップ、そして視聴者のコメントを横目に見ながら冥神さまに詰め寄る。
「あわわわわわわ」
あわわわわわわじゃないよクソおやじ!なんだよあのモンスターは!!?
『なるほど。次元のはざまへの通り道であるあの場所は区分的にはこっちの世界だ。だから彼にも配信が見えるようになったのだろう』
「なるほど」
なるほどじゃない!どうして冥神さまが『はじめて知った』みたいな顔して頷いてるんだよ!
???:え?俺達、アナトに見られてるのか?
???:マジ?
???:お~いアナト~~~!!
アナト:なんだこれ~~~????
???:おぉ~~~~!
あはははは。驚いてる驚いてる。
って、現実逃避してる場合じゃないし、火神さま違う!
「次元竜……とはなにか……?」
そう、それだよ戯神!
『あれはこういった歪みに存在するモノであるな。この世界で生み出されたものではないが、神族でもない。むしろ神敵だ』
「入り込んできたものが持つ神族の気配に寄って来おったのか??」
『だろうな。倒さねば』
なんだそれ?
1級神の想定外とかほんとアナトは呪われてるんじゃないだろうか?
どうする……。
『まずいな、入れぬ。あの場所は次元竜にロックされたようだ』
えぇ???
???:えぇ~~~~!!!
???:遊神ちゃんが!!!
???:アナトなんてどうでもいいけど、遊神ちゃんが!!!
アナト:俺どうでもよくない!ミルティアは化身だから俺を助けて~~~~
ちょっとムッとした。そこは頑張れよアナト。
ギャオォォオオォォォオオオオオォォォオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!
「ここは次元のはざま!ここならボクの力は削がれない!行くぞ全力の遊神(の化身)の力を受けてみろ!!!!!!!!!!」
ボクの化身であるミルティアが魔力全開でオレンジ色の魔法弾を作って次元竜にぶつけた。
頑張るなボク(化身)……。
???:おぉ~~~~!!!!!!!!!
アナト:おぉ~~~~!!!!!!!!!
雷神 :ダメじゃ!よすんじゃ遊神ちゃん!!!
アナト:あっ、お父さんどうも。
雷神 :誰が"お義父さん"じゃ~~!!!!!!!(怒)
アナト:ぎゃあぁああぁあぁぁあああああ
「出てこないで雷神さま!!!」
まったくこの状況でアナトに雷を喰らわすとか何考えてるんだよ!
雷神 :しゅん……。
そして、ボク(の化身)が頑張ってるときにみんな煩すぎるよ!
グギャオォォオオォォォオオオオオォォォオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!
しかし次元竜は無傷……。
「ダメだ、やっぱり効いてない……」
シャァァアアアァアァァァアアア!!!
攻撃を放ったミルティアに怒った次元竜の爪が襲い掛かる!!?
???:あぶない!遊神ちゃん逃げて~~!!!
<< 画面の中の遊神は化身です。本体は神界におりますのでご安心ください >>
???:なんだよかった~~~。
???:化身でも遊神ちゃんのグロ画像は見たくない~~~!!!
「冥神さま、その振りやめて!!!(怒)」
端っこでこそこそしてる冥神さまが何をやってるのかと思っていたらこれかよ。
今はアナトのピンチなんだから真面目にやれ!
「エターナルブレイク!」
グギャア!
しかし次元竜の爪は弾かれた。
おぉ!?
この技はアナトか!!!
カッコいいじゃないか。
???:かっけ~~~~~!!!!
アナト:なんだ?
剣神 :おぉ、私が解放したスキルだな。素晴らしいタイミングだ!
アナト:あなたが?ありがとうございます!感謝します!
そっか。これだ!
「みんなアナトにスキル本を!アナトのスキルを解放して強化すれば勝てるかも!!!」
ボクは配信に向かって叫ぶ!
視界の端っこでクソおやじが渋い顔をしているのが見えたが無視だ!
???:なるほど!そうすればアナトが強化されて次元竜を倒せるんだな!
???:アナトの不運されてるスキルでそこまで強くなるのか?あの次元竜は1級神様と戦えそうなクラスのような……。
雷神 :ワシはやらんぞ!そんな男になんか!
???:雷神様がいじけてるぞ~!
雷神さまは煩い。
せっかく煽ったのに……もう口もきいてやらないからな。
光神 :これはチャンスだのう。ではこれを。晶貨を入れたぞ!頑張るのじゃ、アナトよ。
アナト:えっ光神様?ほんもの?えっ?し、し、し、失礼を……。
光神 :かまわん。存分に戦うがよい。期待しておるぞ。
アナト:えっ?こんなスキル使っていいの?というか使えるか?魔力足りないんじゃ!?
アナトが光神さまに驚いてるのウケる。
あと、なにを解放して貰ったんだろう。
愛神 :では、私からはこれを。うん、選択できて晶貨も入ったわ。これで大抵どんなスキルでも使えるわよ。頑張って!
アナト:ありがとうございます!
あとで聞いてみよう。
あっ、見てれば分かるか。
闇神 :ふむ。我からもこれを授けよう。おぉ、選べたし晶貨が入って行ったということは大丈夫ということだな。頑張るがいい、アナトとやら。
アナト:ありがとうございます!!!
見てたの!?!?
???:ではワタクシからはこれを。よし!入ったから大丈夫だよね。頑張ってね、期待してるわ。
アナト:ありがとうございます!
???:ではこれを……。よし……入った……。頑張って……。
アナト:ありがとうございます!
???:僕はこれだ!入った~!!!頑張れよ!!!!
アナト:ありがとうございます!
???:私はこれ。入った!頑張れーーー!
アナト:ありがとうございます!
???:入った♪がんば♪
アナト:ありがとうございます!
入った、頑張ってね、煩いよ!
違う、ボクは違うよ!そんな卑猥に聞こえるとかじゃないからね!!!
アナト:これホントに貰っていいのだろうか??なんか凄まじいんだけど???
繰り返すけど、制限がかかってるから大丈夫なはず。
ちょっと数が多いのが気になるけども……。
「アナト!入ったんだから大丈夫だよ!実感はないかもしれないけど強くなってるから頑張って!!!」
違う……ほかにどう言えと。
「なにか制限がかかってるんだったか?ならいいのかな。今は倒さなきゃ始まらないしな。いくぞ!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます