超雄社会の自警譚(パラベラム)

雄輝列伝2:民雄の誕生

　雄輝三十年(3030年)、超雄連盟による各支部が誕生した頃、

　地底に追われし、邪術の一族による【大地底帝國（シャンバラガルタ）】

　陸上からの汚染を憎む深海に棲まいし種族たちによる【大深海帝國（ネオアトラント）】

　隠世と呼ばれる世界空間の狭間に逃れた妖怪や魔物たちによる【大魔怪帝國（パンデモンズ）】

　遥か彼方の銀河から襲来せし、宇宙最凶の地球外生命体による【超銀河帝國（ギャラクスピシーズ）】

　それら【四大帝國同盟（エンパイアカルテット）】による地球征服が始まった。

　それらの悪勢力に対抗する為に新たなる超雄たちが誕生した。

　大地底帝國（シャンバラガルタ）や大深海帝國（ネオアトラント）の操る怪獣たちに対抗するは、正義の心を宿す鋼鉄の守護神と共に巨悪と戦う青少年少女たちによるスーパーチーム【守鋼神機師団（ガーディアン・ナイツ）】。

　大魔怪帝國（パンデモンズ）に対抗するは忍者やエクソシスト、武人、陰陽師などの古来より妖魔の災いと戦う術を鍛えた人類の防人と呼ばれる戦人集団【滅魔師（ファントム）協会（・イーターズ）】

　超銀河帝國（ギャラクスピシーズ）に対抗するは銀河の愛と平和を護る為に戦う銀河の力を纏いし騎士【超新星騎士団（スーパーノヴァ・ナイツ）】。

　かれらの活躍によって四大帝國は壊滅し、平穏は取り戻した。

　しかし、世界各国の主要都市で起こった未曾有の大災害【シェイキング・ザ・ワールド事件】が起こり、各国の超雄（ヒーロー）が復興作業に勤しむ中、 怪人（モンスノイド）や超異能（アビリティ）覚醒者（・ホルダー）、異怪種否定主義者（ノーマリアン）による無辜な人々への恐喝や闇討ちなどの犯罪が横行し、悪質な社会問題が根付きずつあった。

　災害発生の秘匿や目に見えない犯罪に対する対策の遅れにより、超雄（ヒーロー）の不信感を募らせた民衆の一部は民間だけの救済組織【無貌の《ネームレス》自警団（ノーバディ）】を設立し、その組織の厳しい試験により選ばれた民間の英雄である民雄（ヴィジランテ）が誕生した。