男子大学生の日常
古魚
3月28日
雨が降る中、俺は家族を見送った。
205号室の鍵を開けると、散らかった段ボールと一気にまとめて買ってきた調味料、食材。一先ず、冷蔵庫に詰められるだけ詰めた野菜やペットボトルを整理する。
「……ねぎは……短くするか。明日はとりあえず米炊いて……ああ、調味料のビニールはがしてないな」
雨音だけが聞こえる静かな室内に、俺のひとり言が響く。
その無音が苦しくなり、とりあえずテレビをつけた。
バラエティー番組から楽し気な話が聞こえて来る。数分ベッドに腰を下ろした後に、再び部屋を片付け始める。
小一時間後、要約部屋の整理が終了した。既に夕飯は食べていたので、お湯を張り風呂へと入る。シャワーの音、湯船に浸かると再び静寂が辺りを包む。
いつもは30分前後浸かっている自分だが、今日ばかりは、ほんの数分で湯から上がった。静かさに、耐えることが出来なかったのだ。
そうして全ての用事が終わる。
置時計は11時を指している。
特に何も考えず、ぼーっとスマホゲームをしながら、テレビを見つめていると、スマホの画面に水滴が落ちた。
「……ん?」
慌てて画面を拭う。
しかし、画面へは次々に雫が零れて来る。
そこで初めて、自分が泣いていることに気づいた。
「……ああ、そう。思ったより、俺は寂しがりなんだな……」
適当にそうぼやく、何かしていないと涙が零れて来る。ダメだ、書こう。
そうして、この日記は書き始まる。
きっと、慣れたらペースも落ちるだろう。大学に慣れ、メインの作品を書ける余裕が生まれたら、この作品が定期的に更新されることは無くなるだろう。
そんな、適当な大学生が書き連ねる日常日記、始まります。
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