第15話 ゴリ押しで何とかする
エリアボスのメタルゴーレムはボスなだけあってかなり強い。
というかこのゲーム、エリア間移動にボスの撃破が必要ないため、ボスの推奨レベルは高めに設定されていて、大体次の街周辺のエリアの推奨レベルになっている。ここだと次の街はミスティック、この世界のメインの宗教勇者教の総本山。信仰もなんもないが世界観を大事にする人にとってはでっかい図書館があるのでいいと思う。その街の周辺は大体30レベル以上あれば行けるといった感じなので、メタルゴーレムもレベル30あればまともに戦える。今の僕のレベルは20だ。当然そのまま行けば苦戦は必至だけど、今の僕はほとんどズルの装備を付けている。
メタルゴーレムも核は胸部に、ただ金属プレートにより保護されているらしい。
そう、金属プレートなのだ。
ならば当然つなぎ目はあるわけで。
そこに衝牙をねじ込んで振動とスキルで外せばあとは核を抜くだけ。
まあそんな近づけることが前提のずさんな策は当然通じるわけはなく、
「あぶないっ!?その図体とその素材で素早いってどうなってるの?」
見るからに重厚そうな金属のゴーレム。見た目とは裏腹に攻撃のモーション自体は早いので隙が見つからない。
いくら鎧があるとはいえ相手のSTRはとてつもなく高いだろうし食らったらリスポーン。インベントリ内からランダムにちょっとぶちまけるとかそんな噂もあるし絶対死にたくない。50個の核は全部僕が売る用だ。
長期戦は好きじゃないのでパンチの後にすぐ懐まで駆け寄る。
「核みせてよメタルゴーレ、ム……?」
こいつ!?
「隙間ないじゃん!」
足で踏みつけが来る。
「空間圧縮。」
杖を取り出して魔法でよける。
「この金属野郎が……よくもコケにしてくれたね?」
もうこいつの核はいいからとりあえず殺す。
どうせエリアボスはリポップするし。
斬撃で衝撃がうまく伝わるとは思えない。よってここでの選択肢は刺突。
スキルは使えないけど3桁のSTRと衝牙なら大丈夫。習得するかもしれないし。
と、いうわけで。
「衝牙!」
衝牙を発動。MPを30使ったのでいつものものとは威力が違うはず。
そして、胸の中心部にまっすぐ剣を突き刺す。
青白いエフェクトが濃くなり、金属版に垂直に、鍔のところまで突き刺さった。
『スキル:貫通突きを取得しました。』
貫通突き
アクティブスキル
突きでの攻撃にダメージ補正。
兜割りと同じタイプの簡単スキルだ。
なんでこんなの取れてなかったんだろう。
兵士団との訓練とかだと突きは結構使ってたんだけど……
「あっ。」
これ貫通させるのが多分習得条件だ。
衝撃波の影響か剣よりも大きな穴が胸に空き、向こう側の景色が見えている。
核だったものも発光するのをやめて、メタルゴーレムは消え去った。
ドロップアイテムはゴーレムメタル……素材アイテムか。
これだけ?
「まじかぁ。」
核もないし仕方ないけどさ。
MPをアイテムで回復して、湖畔の要塞遺跡を後にする。
探索は後でもできるからまた今度にしよう。
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