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 秋は八時にアトリエに戻ってきた。早朝のランニングは秋の日課のようだった。(秋は上下お揃いのジャージを着ている)

 起きている私を見て「おはよう。いい朝だね」と汗をかいて、ほてった身体をしてる秋は言う。秋はコーヒーをいっぱい飲むと「シャワー浴びてくる」と言ってお風呂場に行った。

 私は朝ごはんのお片付けをしながら秋が戻ってくるのを待った。

「今日はモデルをお休みしたい?」

 コーヒーを飲みながらお話をしているときに私は言った。

「うん。だめかな?」

「ううん。全然構わないけど、どうしたの? 体調が悪いの?」秋は本当に心配そうな顔で私の顔を見る。

「そうじゃないの。でも、少し気持ちを落ち着かせたいと思って。絵のモデルは初めてだし、最初は気にならなかったんだけど、今になって、少し緊張してきたのかもしれない」

「そっか。ごめん。私が無理言ったせいだよね。遠いところにある森の中の私のアトリエまで来てもらって、なれないことさせて。私、自分の絵のことで頭がいっぱいでそこまで気が回らなかった。本当にごめんなさい」秋は頭を下げる。

 そんな秋を見て私の心はずきんと傷んだ。

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