第6話 蜘蛛の城
赤蜘蛛の城を目指す赤鬼たちの旅は続いていた。
途中、彼らはいくつかの里を見つけるが、そのいずれもがまだ荒らされていないように見えた。
しかし、近づいて詳しく見てみると、何かがおかしい。
よく観察すると、どうやらそれらの里はすでにバーミンズに支配されてしまっているようだった。
陽光はその光景に心を痛め、今すぐにでも里の人々を救い出したいと燃え立つ。
しかし、赤鬼は冷静さを保ち、陽光を抑える。
「今は我々の目的を忘れてはならない。城への急行が最優先だ」と彼は言い、引き続き赤蜘蛛の城へと急ぐ。
遂に、赤蜘蛛の城が一望できる場所に赤鬼たちが到着した。その光景に彼らは息をのむ。
城の堅牢さと、その周囲をうごめくバーミンズの数の多さに、彼らは圧倒された。
さらに、城のふもとでは、攫われた住民たちが強制労働をさせられているのを目撃した。
一同は、このままでは勝ち目がないという厳しい現実を直視せざるを得なかった。
同時に、彼らは自分たちの故郷へ危険が迫っている可能性に心を痛めた。
紅竜は深刻な声で言った。
「このままでは、私たちの里が危険にさらされます。一度、それぞれの里に帰り、住人たちを龍の里へ避難させるのはどうでしょうか。
龍の里は防壁で囲まれており、守りが堅固です。さらに、戦いに長けた者も多くいます。
有志を募って一緒に訓練をし、バーミンズに立ち向かいましょう。」赤鬼、紫影、陽光は紅竜の提案に頷いた。
翠煌は遠くを見つめ、涙を流していた。彼の視線の先には、パイナップルの里の住人たちがいた。
紅竜は彼に近づき、肩を叩いて言った。
「私の里の長を説得するため、一緒に来てくれないか?」翠煌は涙を拭い、頷いた。
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